8月2012

「リトルボーイのピンバッヂ。」No More! HIROSHIMA! 再考

生活

  残暑は酷だが、秋冷の候を挨拶に使ってもよい時節にさしかかりつつある。

この夏、先の大戦を振り返り、今も腹の底から臓物が煮えたぎる思いの事柄がある。それは、「原爆無知大国アメリカ」である。

本年、原子爆弾の投下命令を下した大統領の孫が原爆忌に来日した。

だが、多くのアメリカ人は、原爆投下を自国の論理で肯定する声が圧倒的である。そのアメリカ人の意識を記事にしたものが、08年の「AERA」にある。

 

前略。~ラスベガスの大通り。そこから車でわずか5分のところに「核実験博物館(ATOMIC TESTING MUSIUM)」はある。~中略~入場券売り場は、ネバダ核実験場にあった警備員ブースの再現。キノコ雲をデザインした水着姿の「ミス原子爆弾」等の等身大パネルが両手を広げて待っている。入場料は、10ドル。パンフレットには館長の挨拶がある。「博物館の見学は特別な体験を保証します。探検して楽しんで!」~中略~最大の目玉は、「グランドゼロシアター」。暗くなるとカウントダウンが始まる。「スリー、ツー、ワン、ゼロ」フラッシュのような閃光。スクリーンではオレンジ色に染まった

キノコ雲が立ち上がる。~中略~「クール!(かっこいい)」後ろに座っていた小学生くらいの白人の男の子がつぶやいた。

いかがだろうか?アメリカは敵情関係になく、日米同盟は世界最強とも言われる友人関係であろうに、この有り様はいかがしたことだろうか?もちろん、この博物館で、広島と長崎に投下された原子爆弾が奪った人の命の数など展示されていない。入場者には「原子爆弾のお陰でアメリカは戦争に勝てた」という感想が導き出されるような仕組みである。原子爆弾の啓蒙のためにネバダ州の実験施設から、わざわざカジノやエンターメントショーを楽しみに訪れる観光客を狙って引越ししてきて大盛況である。

 

広島から英国に渡った女性が、「HIROSHIMAから来た。というと No More! HIROSHIMA! の語感や響きが、町全体が無くなったような風に受け止めれていて、原爆が投下された事実だけが知られていた。(悲惨な状況は当然伝わっていない)」とそのショックを伝えた。本年は、原爆投下されて67年でああった。広島から「No More! HIROSHIMA!」の思いが伝わるのは、このままでは100年たってもあるまい。このもどかしく、慙愧にたえない思いこそ無間地獄だろう。前出の博物館で一番売れるお土産は「リトルボーイのピンバッヂ」である。いかにもかわいらしいデザインと名前だが、広島・長崎に投下された原子爆弾そのものの名前である。未だ伝わらない思いをいかにせん、また後世に。