10月2012

薄れゆくミレニアム目標の達成意識

生活

 21世紀にはいったばかりの頃、さかんに継続可能な経済開発や貧困撲滅などが叫ばれ、2015年を達成期限とするミレニアム目標(MDGs)が掲げられた。新興国は、鼻息が荒く、世界経済のエンジンを自負していた。超大国アメリカは、度重なる苦難にも耐えてリーダーシップを執る覚悟を示していた。

それから、暦の干支がひとめぐりしたら、予想を悠に裏切り、世の中が様がわりしたようだ。

さる9月の20日に発表された経済協力開発機構(OECD)加盟国の2011年のODA(政府開発援助)の総額は、日本円にして10兆4千億円で、1977年以来初の減少に転じたと。08年のリーマンショックや欧州債務危機が影響していることは明らかである。



国連は、先進国(ODA加盟国)に、自国の国民総所得の(GNI)の0.7%をODAに充てるように求めているが、実際は3.1%どまりに終わっているとのことである。したがって、世界市民が安全安心に生活するには、1668億ドル足りない!と声高に叫んでいるような状態である。



本来、自由貿易を拡大し、それを推し進める同士が利益や恩恵を享受できるようにすることが。世界界貿易機構(WTO)の目指す多角的貿易交渉(ドーハラウンド)の意義であろうが、自由貿易を途上国まで広げようとする中、厳しい抵抗や非難にあい、座礁した貨物船の如くにも陥った。



いかなる篤志家であっても潤沢な収入や資金のたくわえがなければ慈善事業は続けられない。いわんや、世界一のお金持ちの国の家計が思わしくなく、同様に収入を大きく減らしつつある世界第二位の国と失われた二十年と揶揄される世界第三位の国の面子をかけた喧嘩も勃発している。



国内問題に集中すれば、内政の建て直しも比較的にうまくいった時代は、歴史の上でしか紐解けない時代と悠に遠くに行き去った。近隣国との摩擦は、軽罪ばかりでなく、各々、個人的な人的交流にいたるまで、お互いに複雑に入り組んでいるので解決が容易でない。



さてもミレニアム目標。全世界が賛同して掲げられた目標だったが、このままでは達成は困難となり、世界で挫折感を共有することになりそうである。ただ、食料、医薬品、環境、エネルギーの人道支援分野の解決は、なんとかならないものだろうかと気をもまずにはいられない。