10月2012

材料としての”石油”食料としての”トウモロコシ”

生活

 友愛を唱える鳩山由紀夫元総理大臣が、国際公約した「2020年までに1990年比で25%のCO2削減」の達成は、まず「絶望的だ」と、国民の大多数は認識しているだろう。達成困難な理由の第一が、東日本大震災被災による原発事故から、発電効率をいかにあげても化石燃料による発電が、CO2の発生を推し増やしてしまうことだと、これもまた国民の大多数は理解している。

総理大臣官邸を取り囲んで、原発反対を唱える活動家らは、原発の安全性に疑問を唱えて原発停止を訴えるが、代替エネルギーや節電対策、産業構造の変革への提言もほとんど行っていない。省エネ先進国と自負できる日本だけに、

国際的に注目を浴びる機会を活用して、先端技術を用いた提言を行えれば幸いなのだが。

ところで、石油というと世界最大級の輸入国である日本にとっては、化石燃料のイメージが強いが、多くの化学製品の材料であることの認識は低いようだ。

プラスチック製品やPETボトルのリサイクル活動に、徹底して協力的な日本人であるが、リサイクルコストの問題は横において、石油の無駄な消費に抗うだけの成果は現してきている。しかし、それとて限界がある。

石油精製の過程で生産される連産品には、LPガス、ガソリン、ナフサ、灯油、ジェット燃料、軽油、重油(A、B、C)、潤滑油等があり、さらに副産物には、道路舗装用のコールタールや多くの建築、土木資材等がある。

つまり、エネルギーとしての省エネは推進できても社会を支える材料としての石油は消費を少なくすることは困難が伴う。

 

国連食料農業機関(FAO)の事務局長は、今夏、「アメリカでは収穫の減った穀物がバイオ燃料生産の喰われ、食料や飼料向けが減ってしまう」と警告し、「バイオ燃料の利用義務の速やかな緩和もしくは凍結」を求めた。

アメリカのエネルギー関連法は、ガソリンに混ぜるバイオエタノールの総量を130億ガロンまで2012年は引き上げるように義務付けている。原料のトウモロコシは、生産目標の40%相当という。したがって、食料、飼料供給を圧迫し、途上国でトウモロコシを輸入する国々を苦しめる。目を転ずるとバイオエタノール先進国のブラジル等からすると国内事情に国際事情を易々と織り込めない事情もあり、ふたつ返事はできにくい。

本来、原油産油国である中国であるが、脱硫コストが高く消費も増える一方で輸入大国に。トウモロコシも多く生産しているが、食肉需要が高まり飼料需要が急増し。これまた輸入大国になったは必然であった。中国の大陸棚延伸や尖閣領土主張には、国内事情が大きくかかわっており、海洋資源が豊かなことが明らかとなっている今、問題解決には長く辛抱を強いられる覚悟が要る。