10月2012

企業の社会的な責任

生活

 CSR~企業の社会的な責任についての認識は、すでに定着しつつある。

あたりまえの話だが、普通法人は利潤を挙げることを目標とし、結果、税を国や自治体に納めることとなる。税は、公共の福祉のために供されるが、恩恵にあずかる人々は、相当な数になるに違いない。企業は、黒字を生み出せば、配当を分配する以前に税を納めるのだから、規模の大小によらず、国や自治体を支え、多くの市民を支えていることになる。

企業活動における社会的給付機能は、一般的に考えられているより範囲よりはるかに大きい。従業員、取引先、金融機関、企業所在地域および住民など枚挙に暇がない。

 

ところで昨年、カゴメ、カルビー、ロート製薬の3社が東日本大震災で親を亡くした子どもたちの大学進学支援をするため、入学金や授業料の全額負担する奨学基金「みちのく未来基金」を設立した。業種の異なる企業が、社会的な責任を担おうと協力して40億円を拠出して基金を運営と。

それも、現在0歳児の遺児が大学院を修了するまでの25年間を想定しているそうだ。しかも大学進学の奨学金は、返済義務があるのが普通だが、当該基金は返済が不要だというので驚きである。

 

震災孤児は、二千人程度ではないかと見られているらしい。震災孤児の基金は、常時200人が利用、ピーク時には年間2億円の救出が必要と見込まれている。基金は、「あすの世代を担う子どもたちを長期支援するのが、『社会の公器』としての企業の責任」と言い切っている。

ドナー企業は、震災直後の昨年3月には、宮城県内の大学に「震災復興支援室」を設け、「みちのく未来基金」の趣旨説明活動を開始している。また、前出ドナー企業の全取締役が月額報酬の10%を返上し、子どもたちを支える小中学校の先生方を励まそうと同社の福利厚生施設の整体師らを被災地に派遣し、整体サービスも開始しているという。

自分のことを一番最後にして、子どもたちのことを何よりも第一に考え、精神的に病み、体調を崩す先生方が多いと聞く。行き届いたケアには恐れいる。

 

ドナー企業の震災復興支援室長の言を最後に。

「災害や事故で親を失うと、育ててくれた親戚や保護者の負担をなるべく軽くしようと、進学をあきらめる子どもたちが多い。次世代の支援は、企業の社会的責任だ」と。誇らしく、晴れがましくもある企業の社会的な責任ではないだろうか。後に続いて、松明を掲げてくれる企業も現れるだろうと期待している。