10月2012

国家を凌駕するようなグローバル企業の使命感

生活

 先ごろ、企業の温室効果ガス排出量に関する情報公開の程度を評価した世界の大企業ランキングを。世界の企業家で組織するカーボン・ディスクジャー・プロジェクト(CDP:本部英国)が公表された。

上位10位までの顔ぶれは、1位は2企業で、バイエル(独)とネスレ(スイス)、3位は3企業で、BASF(ドイツ)、BMW(ドイツ)、ガスナチュラル(スペイン)、6位に2企業で、デイアジオ(英国)、ノキア(フィンランド)、

さらに8位に2企業で、アリアンツ(ドイツ)とUBS(スイス)。そして10位が、パナソニック(日本)である。

こうして企業名を眺めてみると、伝統的に労組も経営参画するドイツは、情報公開の意識や環境技術の高さを表しているように思える。また、スイスのネスレとUBSは、国際的に信頼の高い金融業等を背景に情報公開の仕組みを先行させているように思えるのだが、読者諸氏はいかがお感じだろうか。

 

本年のランキングに至る調査は、時価総額が高い世界の500社に、排出量の推移や公表の状況、温暖化対策にどれだけ経営トップが関与しているかなど尋ね、450社から回答を得てランキングしたという。情報公開度が極めて高い企業でAランク企業は、33社という。10位のパナソニックは、100点満点中96得点という極めて高い評価を得ている。

いうまでもなく、グローバル企業は発展途上の国家を凌駕する経済力や頭脳を抱えている。構成する株主も多国籍化しているため、経営者も単に企業価値を高めたり、株価を高めるだけでは及第点を得ることができない。以前、企業のCSR(企業の社会的責任)について本コラムで取り上げたことがあるが、グローバル企業は世界に対する責任を負っているかの如くである。

 

ネスレ社の創業者アンリ・ネスレは、欧州で飢饉が起きて、乳児らの母親らが授乳できなくなる危機の中、母親の愛情には叶わないが粉ミルクで貢献しようと起業する。有名企業の創業社長が現役のときは、拡大成長期であっても起業家精神が大いに発揮されるが、社長交代が行われていくにしたがって、しだいに伝説となり社員の意識からは創業精神など、古臭い金科玉条のようになってゆくようだ。DHLは、湾岸戦争などの戦地に軍が糧食を届けられないような状況であっても、容易に預かった荷物を届けることを行ってきた。「必ず届けることが企業使命だから」と。領土や国境紛争は、かつての20世紀型という印象が強い。複雑な民族構成や宗教闘争やイデオロギー型の紛争の多い今世紀、グローバル企業の複雑な国際問題の解決能力や目標達成の使命感が、国際問題の解決に大きく寄与するように思えてならないのだが、いかがだろうか?