10月2012

あえて考えなければならないこと

生活

 中国の成長発展が調整局面や後退局面にあると多くのメデイアが伝えている。秋葉原の免税店や銀座の高級店などでは、到底、平均的な日本人には想像も及ばないような中国人観光客の購買力が発揮されてたが、訪日自粛によって、中国人観光客に購買行動を期待する一方のあり方をいま一度、考え直す時宜を得ていよう。

これまでのところ、築地でマグロを最高値落とすのは、たいてい香港のすし王と呼ばれる日本滞在経験のある青年実業家である。マグロは、有限資源の管理意識を各国が共有できれば、海洋汚染も起こさず、安定して確保できる資源に育つ可能性もあるだろう。セリの見学マナー違反がひどいと締め出しも起きたが、日本経由で消費されるマグロは、いずれにしてもチャイナマネーに煽られ、日本人には高値の花になった。マグロは、食文化輸出の仇花なのか。

中国が豊かになって、水産資源だけでなく食料需要が大きく変わってきた。

たとえば、食肉。日本では、一般的に牛が高級であって、続いて豚、鶏と続く。

中国では、伝統的に日本とは逆である。家鴨や高級な鶏が最高級とされ、続いて豚、もっとも大衆的な食肉が牛であった。あったとするのは、価値観が変わりつつあるためである。

たとえば、農産品の商標問題。日中間では、周知の如く新たな摩擦のタネ。

「コシヒカリ」「ササニシキ」「松阪牛」「青森林檎」など高級な食材が、中国で商標登録されてきた。日本側は、知的財産を犯されまいと係争反証の手続きに追われている。それだけ、中国の伝統的な食が、日本や欧米の影響を受けて変わりつつあるということである。肉牛の穀物肥育が盛んになれば、途上国の貧しい人々の穀物が奪われ、牛の口に入り、やがて精肉となって人の口に入る。乳牛とて、草を食み排出する二酸化炭素で、地球環境を悪化させ途上国に多大な被害をもたらす。

尾篭な話で恐縮だが、鶏は口から入れたえさのうち、栄養分を9割がた吸収することがでずに排泄してしまう。それだけにおいも強いし、鶏糞肥料は使い方に工夫が要る。牛の場合、肉1キログラムの生産のために糞尿が50キログラムになるという。乳牛の場合は、1リットルの牛乳を生産するのに、3リットルの糞尿が排泄されるという。この処理は大変である。

牛の糞尿が、発酵されずに地下に流れると地中深く浸透し、粘土質の層で横に広がり、水質汚染大きくして、やがて川や湖、そして海洋の汚染につながってゆく。現実問題として、土壌汚染や水質汚染が起きている畜産・穀倉地帯は存在している。他方、これら始末に困るものも資源に活用できれば、安定したメタンガス源や堆肥や液体肥料になる可能性もある。生かせば資源の宝庫である。食材ばかりでなく、循環型環境保全システムの発想も輸出すべきである。