11月2012

再生エネルギーのこと

生活

 先ごろ、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東京電力が開発した洋上風力発電所が公開されてメデイアで大きく取り上げられた。原発の依存度を下げるためにも、要消費電力の再生エネルギー発電の比率を上げることに異論を唱える者はいないだろう。問題は、発電コストである。

再生エネルギー法によって、各電力会社は再生エネルギーによって発電された電力を買い上げることが骨子となっている。買い上げる電力が安く買い叩かれると民間投資も進まず、産業の育成助長に寄与もしない。しかし、反対に買い上げコストが高いと経済活動や国民生活に重くのしかかることになる。

ことさらこのことを取り上げるかといえば、ドイツの例が思い浮かぶからである。昨年7月に小職は、ベルリンやバルト海沿岸に出かけていた。北部ドイツは、風が強く吹く地帯であり、風力発電の効率が日本と比較にならないほど大きい。ベルリンからバルト海洋上に巨大な風車が並んで回っている姿は壮観であった。

 

3.11以降、ドイツでは緑の党が躍進し、再生エネルギー社会への転換も大きく叫ばれるようになった。実際のところ、太陽光発電などの再生エネルギー発電などへの転換も大きく進んでいるようだ。

この大転換は、ドイツならではの事情もあって進んでいるのであり、日本は

同じようにはゆかない。

欧州では、経済の一体化はかなり以前から進んでいる。

電力の融通もそのひとつである。たとえば、フランスであまった電力をドイツに融通し、さらにあまった電力をベルギーやオランダに送電するといった具合。

世界有数の原発先進国のフランスは、食料自給率は120%で電力も自給率120%程度である。ドイツが、原発停止を決める以前から電力を融通し、また輸入していたのである。

しかしである。需要が追いつかないときにフランスから電力を融通してもらうことは、再生エネルギーによる発電の趣旨と相容れないことが明らかである。

ドイツは、再生エネルギー発電比率を高めることに大きく舵をきった。

そのことによって、電力料金が2000年以前の2倍になりそうだという。

産業界や国民生活の負担感は相当なものであるが、新産業を生み出し雇用を作り出すなどしたら、それでも再生エネルギー発電の促進は可能かもしれない。

 

さて、日本のことである。日本は、欧州のように陸続きの同盟国がない。電力を融通してくれる友好国もない。自国内で化石燃料や再生エネルギー、原子力によって発電するしかない。効率の悪い発電は、地政学的にも宿命である。