11月2012

消費税論議2.

生活

 先の本コラムで消費税のことにふれた。やはり、納税者の財源問題についての意識は高まっており、消費税の問題点をもうすこし掘り下げることとした。

先の本コラムでは、滞納された国税の中で一番多いのは消費税と紹介した。

2009年度に新たに発生した国税滞納税額は、“7千4百78億円”。このうち、3千7百42億円が消費税による滞納分であり、国税のおよそ50%に相当する。

消費税が、滞納税額の大部分を占めるようになったのは、1990年代後半に遡る。このときにすでに国税滞納税額の40%を占めている。悔やまれるのは、そのとき原因に応じた処方箋を出すことは可能だったと思われることだ。改善されぬまま深く痛みの残る病根が残ってしまった。

消費税は、販売価格に賦課され、購入するものが価格に応じて一定率の負担を行う。このとき販売業者は、購入者から消費税を預かった形になり、消費税の申告を経て納付することになる。滞納税者は、最終的に消費者に販売したものであり、納税を速やかにできない者は、預かった納税額を使い込み、納税を行わない不道徳な輩かといえば、そうは簡単に断定できないところがある。

つまり、力の弱い中小零細企業は、「価格に消費税を転嫁できず、自己負担せざるをえない実情」があり、それが積もり積もって、国税滞納税額の約50%

に積みあがっている大きな原因とも言われている。

消費税の増税や徴収の方法論のみに国会の議論や巷の関心が及ぶようであれば、税制の大きな波間に漂う中小零細企業は、やがて来る消費税増税の大津波に呑み込まれ、社会の一端から大きな崩壊が始まるのではないかという危惧がある。

 

平成の初めに福祉目的税なるものの創設が提唱された。制度設計について、十分な議論もないまま今は忘れ去られている。継続的な安定した財源がなければ、少子高齢社会の屋台骨を形成したり、大黒柱を立てることなど出来まい。

成熟した先進国の常識として、税の直間比率の均衡をいかに図るかという問題がある。「税は、国家なり」ということばもある。野党経験の長かった現与党政権も、提唱する税と社会保障との一体改革も急がねばならないが、歪な税負担の落とし穴に、自ら嵌まってもがき苦しむ人々の救済も急がれる。

税を負担させる根拠に、「担税力」というものがある。多く販売し、売り上げたものには税を担う力があるから税を払わせるということである。願わくは、「担税力」が「納税適状」であればよいのであれば良いのだが、中小零細企業は、「担税力」があるとされていても、実際は「納税適状になく、課税適状にもない」のである。支出や無駄削減では、解決に追いつかない問題である。