11月2012

地域福祉らしい仕事“見守り”

生活

 ここ2年ばかり、自治体と警察が取り組んできている事業に注目している。

実は、「万引きに手を染めた高齢者ら」が犯行を繰り返すのを防ぐために、警視庁は自治体と支援対策を2年前の秋から取り組んでいる。万引きにいたる敬意に注目するとこの事業の本質が理解できる。

高齢者の万引きの背景には、「貧困」や「孤独感」、「生きがいの無さ」が犯行の動機になっている場合が多いという。再犯を起こさせないために、社会参加活動や生活保護、給食などの幅広い支援を行い、防止策を講じる。社会参加活動などを盛り込んだ万引き防止対策などは、警視庁によれば全国でもこれまで例の無かったことらしい。

「生活保護」や「給食」などの福祉サービスは、行政の仕事だが、防犯に繋がる「地域の見守り」や「地域活動参加」への呼びかけが必要である。

対策では、都内でモデル地域を選定、50歳以上の容疑者から関係機関から支援者を選出し、事情にあった支援を区や市などと連携して行う。具体的には、

生活困窮者には生活保護や生活資金の貸し出し、生きがいのための生涯学習や社会奉仕活動、独居者や身寄りの無い人への配食サービスや町会の見守りと言う具合に警察署員や自治体、地域団体、地域NPOなどが連携し、福祉サービスの受給や活動参加 ができるようにしている。

 

防犯対策を担う地域団体や地域NPOの役割は大きい。

犯罪の背景になっている「孤独感」や「生きがいの無さ」といった内面の問題に踏み込み、再犯を起こさせないとすることは簡単なことではない。生活の場としての地域で、身近な組織として高齢者に寄り添うばかりでなく、相談受付、問題解決などの機能を十分に高めなければできることではない。

自然発生的に生まれた地域NPOは多いと思われるが、高齢者の再犯防止で

期待されることは、システムとして機能することよりも、地域NPOに参加する

勝動者のヒューマンウェアに期待して成り立つ対策である。大いなる社会実験に期待を大いにしたい。

警視庁の統計によれば、万引き摘発を行った65歳以上の高齢者は、1989年には266人で全体に占める比率が2.5%だったが、2009年には3,110人となり22.9%に急増。2010年の1月から4月の調査では、高齢者の再犯者の51.4%が「生活困窮」を動機として回答しているとのこと。

警視庁調査研究委員会による分析結果では、万引きする心理的要因として高齢者の24%が「孤独」、8%が「生きがいがない」と答えているという(複数回答調査)。地域が、生活困難な高齢者の人生を照らす灯台であってほしい。