12月2012

中国の景気後退。人口ボーナスのこと

生活

 2012年問題といわれてきた主要国の首脳交代は、わが国も衆議院解散によって主要国と期せずして歩調を合わせることとなった。各国それぞれに急を要す問題を抱えてはいるが、それぞれの処方箋が明らかにされるのは、個人的には2月以降になるのではないかと予想している。



中国とて、比較的長い旧暦の正月(春節)休み明けにならないと具体的な施

策が見えてこないだろうと思われる。中国にとっては、面子の問題で後ろに下がれぬ尖閣諸島の日本国有化だろうとは思うが、政権が交代したとしても急激に日本側が強硬な対応をするとは思えない。したがって、本来は中長期的に日本に圧力を加えて、日本から政治的な譲歩を引き出せればよいとする立場かも知れない。ただし、それは中国国内の国内事情が安定していることが前提条件である。

日本による尖閣諸島の国有化以前、この1年間における対中国投資は、日本だけが突出して投資額を増やしているのに対し、日本以外の先進国や新興国からの投資額が、軒並み減少していたことは広く知られている。中国首脳としては、これまでどおり反日的な衝突があっても「政冷経熱」で切り抜けたいところではなかろうか。事実、尖閣諸島問題が先鋭化しても「日本企業や日本人は中国との経済貿易関係の強化を希望している」と陳徳銘商務相は言明しており、過剰生産、過剰供給で商品市況が悪化する中で、ジャパンマネーの引き上げは避けたいところであろう。

 

「人口ボーナス」という経済用語がある。

日本の高度経済成長期は、生産年齢人口のピークに迎えられており、韓国の漢江の奇跡などと称された高度経済成長もまた生産年齢人口のピークに迎えられている。先進国入りした国々は、「人口ボーナス」を見事に活用してきた国々である。さて、中国の場合、2015年を境に生産年齢人口が急激に鈍化すると予測されている。少子高齢化は、ほかの経済成長著しい国々とて共通する悩みであるのだが、中国の場合は、ここのところ人件費や不動産地代をはじめ生産コストが高騰しており、さらに今後、第12次5ヵ年計画で市場改革が決定されている水道、石炭、電気、ガソリン、ガス等が高騰することも予測される。

人民元の相場は、いまだ人民元の真の実態相場に遠く及ばないという米国の不満があるが、2005年に固定相場から管理された変動相場に移行し、これまでほぼ3割ほど上昇してきている。これまで中国の経済成長を支えてきたのは、主に安くて豊富な労働力の調達があったのだが、経済成長ピークを目指す以前に、生産年齢人口のピークアウトを迎える中国に成長戦略は描きにくい。