1月2013

正月の風物ことばあれこれ

生活



謹 賀 新 年

 

お節料理の数の子が、縁起を担いで子孫繁栄を願う語呂合わせから来ていることは定かであるが、原語が「かど(にしんの別称)の子」から来ていることをお話すると多くの人は驚きをもたれるようだ。おせち料理は、「御節」から来ているから、旧暦の正月時分に旬の食材や縁起の良い保存食材を使ったに違いない。先人が何を考え、何を願っていたか。大げさに言えば、重箱の中に小宇宙をみるくらいの思いが詰まっていることだろう。暮らしは楽になったが、本来、“大事な御節”にこめた先祖の願いに触れてみてはいかがだろう。

 

正月料理で添える「ゆずりは」。最近では、高級料理に添える四季の「葉」を、

切らす事無く都会の料亭に送り届ける地方のシルバーエイジの優良な事業所もあると聞く。「ゆずりは」を送ってくれるシルバービジネスマン達は、「ゆずりは」の添え葉にこめられる思いなども届けてくれているのであろうか。「ゆずりは」は、新しい葉が十分に育ってから古い葉が落ちてゆく植物である。「順番よく」は、悲しくらい強い親達の願いである。近年は、戦後生まれの首相が生まれ、さらには団塊の世代が大量に退職、還暦を無事に迎えていった。たかだか、歴史の波間の60年前、この国は「順番をたがえ」、無駄に多くの命を散らさせてしまった深く悲しい歴史を持つ。市井にあっても、「逆縁」の辛さ悲しさを必死に耐えて生きた方々もおいでだろう。還暦を普通に迎えられるとはめでたい。

 

ところで七草かゆに欠かせない七草の殆どが、消化や胃腸の働きを助けたり、解熱鎮痛作用のあるものである。いかに健やかに育てと願う親の思いが強かったのか、また貰い粥の習慣からみて、地域や親戚筋をあげての思いが深かったのか伺い知れる。またこの七草粥は、九州の佐賀、熊本、鹿児島地方を中心として、「ずし」といういい方を古くからしている。「ずし」は「寿司」が訛ったものではない。「ずし」は、「雑炊」から来ている。「雑炊」は、古語では「ずうしい」と発音していたらしい。さまざまな食材をつかって、大事な子どもたち

のために炊いて食べさせたい人々の願いが伝わる思いだ。

 

「訛り」を都会人は、ややもすれば馬鹿にしたりするが、訛りには、存外文化の香りが高い。ずうずう弁などといい、慣れないと聞き取りづらい東北の言葉には、多くの大和ことばや平安時代の発音や読みが残っている。さらに、言葉には言霊信仰もあるが、困難を破る力があることも確かだろう。「祈り」という言葉。神仏にすがり、願をかけるような気分が強いかもしれない。しかし、「祈り」の「いのり」は、古語の自分自身を表す「い」と宣言するという意味の「のり」あるいは「のる」の合体した言葉である。だから、「どうぞ、ご先祖様、世間様、成就を見ていてください」という積極的な自己宣言に違いない。「今年こそは」とおもう御仁は、是非、これに倣われたい。