1月2013

七草粥

生活

 めでたく年があけた。地球規模の深刻な天災続きで、援助疲れや精神的疲労感が、この歳末を覆っていたが、なんとか払拭したい。「七草」は、本来旧暦のものだから、現在は、2月の底冷えのする時期の行事。そんな時節だからこそ、春の訪れを待ちわびつつ、なによりも大切な子の健やかな成長を祈らずにはいられないのだろう。旧暦の「七草」の時分、北国では雪を掻き出し、「粥」の主役達を探し出すのも一苦労ありそうな感じがする。祝う人の苦労で集められる食材にまちがいない。だから、紛れなく「御馳走」に違いない。

さて、旧暦ではなくても、松の内に「七草」を行う良さもある。以前に比べ、日本全体の親戚づきあいが疎遠になりがちな昨今。「七草粥」を貰いに行くと、健やかに育てと「祝儀」を差し出してくれる親戚の存在は、子供たちに、どんなに心強く感じることだろうか。幼い子どもでも、自分の成長や幸せ、愛情を注いでくれる人の思いは伝わる。一族や地域というより、地球の次世代を担う子供たち。どうかどうか無事に、大きく育てと祈らずにはおられない。

 

さて、「春の七草」のことである。「すずな」と「すずしろ」は覚えやすい。

「かぶ」と「だいこん」の別称だが、なんとうつくしい物言いなのだろうか。続いて「せり」、昔から田のあぜ道に自生していた。「なずな」、これも「~の通ったあと」には「ぺんぺんくさ」も生えていないのそれである。「はこべら」、「ほとけのざ」これらも土手や田のあぜ道に自生していた。そして、「ごきょう」(おぎょう)菊の仲間で、民間療法の解熱に効果があった。

「なずな」「すずしろ」は、小学校の理科でも消化酵素がとても豊かと習う。「健胃」や「咳止め」に効くとされている。「ほとけのざ」は「歯痛」に効くらしい。他の「七草」も同様に、民間療法の主演役者の位ばかりである。してみると、「七草」とは、古くからいつも世話になっている、身近な草盛りだくさんのご馳走である。旧来、女児たちが、ままごと遊びで食材にふんだんにつかっているものばかりかもしれない。

今時分は、「七草粥」を代用品なしに正式に揃えることが、すこぶる困難に

なっている。有名百貨店では、完全有機栽培の「七草粥」セットなど売っているだろうか?。現代の「七草粥」も相当な高級食材に違いない。偉そうに説教をしたり、叱りつけたりしているその子たちに何れ御世話になり、将来に渡って、重い荷を負わせて行くことになる。今さえ凌げればと、騙し騙し帳尻あわせしてきたものも、もう通じない。「七草粥」からも、失ってはいけない先人の智恵や思いや言葉を学ぶ事が出来る。万事、経済という物差しを使って豊かになれると錯覚していた驕りは捨て去りたい。経済尺で測ることの出来ないものは相当に多い。もう一度、「七草粥」を貰いに歩き回りたい気分になる。