1月2013

地政学的な宿命に日本はどう向き合うべきか

生活

 2012年問題といわれた世界の主要国の首脳の交代劇も落ち着いてきている。わが国でも安部総理が韓国に特使を派遣するなど、東北アジアの安定に向けた外交に動き出している。2012年、日本は北朝鮮との関係に特段の変化をもたらすことが出来ず、安全保障問題ではアメリカとの信頼を損ねてしまった。いわんや中国とは尖閣諸島国有化問題で、いまだに極度の緊張関係にあり、韓国とも竹島問題で砂をかむような思いを強いられている。

 

中国韓国との領土問題は、2012年末に両国が国連に提案した大陸棚問題

に見られるように、海面に浮かぶ島の問題に尽きず、大陸棚を含めて考えねばならぬ地政学上の宿命の問題であって、好むと好まざるとによらず避けられない問題と認識すべきことがらである。さらに両国とは地理的なこともあり、世界的に見ても相互に大きな経済活動をしている。また、規模の大小によらず、多くの民間企業が進出、あるいは投資を行い、財貨が複雑に行き交っている。

したがって、経済や人の交流の発展によって、良い意味で恩恵を受けることが、地理的条件としてあると同時に、ひとたび関係が悪化したり混乱すると、極度に緊張し、重大な事態に陥り悪い影響を受けることも必然である。

昨今、チャイナリスクということばがメデイアで盛んに踊っていたが、循環する経済禍というような性格のものではなく、最初から織り込まれているべき宿命であって、危険負担の検討については楽観することなく、現実的に対処すべきである。

 

国際的な視野に立てば、中国に対するアジア諸国の抱える安全保障上の脅威は歴然と存在し、経済力に関しても依存を高めたいとする一部の国を除き、FTAを用いるような形で、悪影響を抑えたいという意思が見え隠れする。

中国とて、順調な経済発展を動力にして改革を行ってきたが、いまや翳りも見えている。中国が、自助努力だけで、産業構造の高度化やこれまで有利であった安い労働力から生産技術の大変革の実現に至ることはもはや困難である。

わが国に話を戻したい。中国が求める資本や技術は、ここに至っても多く持つ邦人ならびに日系企業が有しており、関係が良好であるならば、依然として

中国にとって魅力的であろう。ならば、可能な限りは中国の求めに応じて協調し、また競争できることが問題解決にも役立つに違いない。わが国においても、市場が人口減少によって眼に見えて縮小してゆくことは明らかであり、商社を先頭にメーカーなども大手ばかりでなく、中堅、中小企業までもが海外に拠点進出している。経済界では、華僑ならぬ和僑になる覚悟も強く求められている。まず、日本人全体が地政学上の宿命に向かいあう覚悟が必要であろう。