2月2013

保 八 

生活

 年明け後のひと月間を振り返って、驚いたことはいくつもあったが、一番驚いたのは、中国において「保八」が崩れたことである。「保八」とは、中国の経済成長率を毎年8%以上を達成し続けるという一大スローガンにして、改革開放経済の必達目標である。

なぜに、達成をすることが出来なかったのか?と考えるより、これまでの経済戦略に無理があったと考えるべきであろうし、また面子を重んじる中国が、目標達成が出来なかったことを公にすること自体、驚くべき事実である。



1978年に改革開放経済の導入を行い、鄧小平、江沢民、胡錦濤と三代の国家主席にわたり、只管に10%を超える経済成長を実現してきた。高い経済成長率は、社会主義市場経済という資本主義経済を共産党主導で完全なコントロールが可能であるという証明のために必要なことである。

それは、改革開放経済に異論を唱える保守派を押さえ込むために、ぜひとも必要な実績である。

また、沿海部で成功した経済発展を西部内陸部に拡大させてゆくために、8%成長はなんとしても達成し続けなければならないノルマであった。その覚悟の表れがなんとしても8%成長を実現するという「保八」というスローガンであった。



中国の経済実態は、あまりにも大きな経済規模であるために伺い知ることは困難である。だが、米ドル(外貨)を輸出により獲得し、それに似合った人民元を発行し、毎年8%以上の成長率を維持しながら分配するという形は、わかりよく外からも見える。

近年、近隣諸国と領土問題というより海洋資源等で激しくぶつかる姿は、なにがなんでも獲得した資源もドル換算して人民元を発行し、分配しなければ「保八」達成が困難だと見えなくもなく、かなり無理をした経済運営ではなかっただろうかと。いずれにしても、「絶対的に正しい」「間違いを起こさない」とされてきた国家、共産党首脳が敗北を認めるようなものであり、小職は本当に驚いた。

改革開放経済の導入後、「大陸国家」と名乗っていた中国は、しだいに「大陸海洋国家」と名乗り、軍事的な活動も含めて太平洋に進出してきた。ほとんど独り買い占めてきた米国長期債であるが、米国との協調を表すものというより、

獲得した資源を付加価値を生み出し換金化し、人民に分配するという仕組みの中で国際為替決済上、圧倒的な占有率を誇る米ドルを用いたという中国の都合が、その理由だったのではないか。いずれにしても中国から眼が離せない。