3月2013

中国の有機性廃棄物のこと

生活

 先には、中国の環境問題について、国民の廃棄物に対する意識や習慣の問題

が解決の前に大きく横たわり、容易ではないと申し上げた。直近の報道でも、

化学工場の廃液が、地下水を汚染し、飲料水源が犯され多くの人民の健康被害を引き起こすことが明らかだと報道されている。直接、地下水源を汚染するような廃液の垂れ流しが無くとも、野ざらしにされていても土壌にしみこんで水質汚染につながることが眼に見えている。

 

本気で取り組まないと、国力をそぐことにもなりかねないのではなかろうか?と思われてならない。また、仮に人体に有害な毒性の強い物質でなくとも、制限されることなしに廃棄され続けると、やがて土壌汚染や水質汚染を深刻なものにすることが明らかである。

 

1990年代後半に政府開発援助(ODA)による国有企業近代化プロジェクト

によって派遣されたことがある。蒸留酒(白酒)とビール醸造工場で、将来の民営化を前提に派遣されていたときの話をしたい。

ビールについては、現在、世界最大の生産国にして世界最大の消費国になった中国である。1990年代後半は、めざましい経済発展とともに、そして健康に良いとされるビールの消費が月々に伸びているような市場拡大の時期を迎えていた。

 

ビールは、副産物として非常に多くの水分を含む「滓」が産出されてくる。

かなりの水分を含むビール「滓」ではあるが、上手く処理をすると宝の山になる。たとえば、ビール「滓」からは妊婦さんでも飲んで害のない医薬品を産出することができる。さらに良質な「調味料」を生産できる。加えて、残った滓から「家畜飼料」も生産できる。

後背地に農業生産地があれば、水分を発酵させて「肥料」にできるし、前出の「飼料」を家畜に与え、家畜が排泄した「畜糞」を処理することによって良質な「土壌改良材」にも生まれ変わらせることができるのだ。

しかしながら、「ビール滓」のまま垂れ流すと土壌汚染や水質汚染につながり、

有用な有機材に生まれ変わることもない。また、「ビール滓」は、牛も好む優良な飼料になりうるのだが、なにせ水分が多い。乳牛などは日に50リットルもの畜尿を排泄するのだが、野ざらしにしてしまうと地下に浸透し、粘土質の層にいたると横に拡がり、地下水を汚染することになる。活かせば資源になるが、生かしきれなければ、公害源になるということである。有機性廃棄物は、工夫次第で貴重な資源に生まれ変わる。日中協力が可能な有望な分野である。