3月2013

円安批判をする韓国は、どこに行こうとしているのか

生活

 G20(主要20カ国蔵相中央銀行総裁会議)以降、欧米に経済政策を承認されたかのようなアベノミクスは、いよいよ勢いを増すかのようだ。市場の支持も

大方を集められているようである。

他方、対米ドル、対円に相対的に値上がりし続けている韓国ウォンが競争力を失いつつあるということで、朴大統領も看過できないという意識の表れか、アベノミクスが円安誘導政策であると正面を切って批判し始めた。

 

経済の牽引を輸出に頼る韓国の事情からすれば、大統領の言動には十分に理解できるところだが、果たして有効な対策を打ち出せるかに関心が寄せられるところだ。いうまでもなく韓国は、これまで輸出によって大きく外貨を稼ぎ出せる体質に変化したが、ウォン自体は、韓国が世界に冠たる貿易立国に成長しながらも国際通貨に育ちきっていないのが実情である。

韓国が外貨を稼ぐ、そのほとんどの場合が米ドル建てと思われるのだが(韓国は多くの貿易を米中に依存し、その決済が米ドルと思われる。)対米ドル、対円の二正面攻防で同時に有効な手立てを講じることが果たしてできるのであろうか。ウォンが、国際通貨として地位を確保できていれば、対米ドルや対円に直接、溜め込んだ米ドルを放出して円高に誘導できる可能性があるや知れないが、対ドルに有効な手立てを講じる前に、マネーサプライを米当局に強化されて実施されば、一時的に対抗できても早期に効果が無くなってしまうことだろう。新興国が、輸出力を伸ばし、外貨を獲得し、経済成長につなげるサイクルを実施しようとしても、自国通貨が国際通貨としてのプレゼンスが得られていなければ、通貨戦争では勝てそうにない。

 

朴大統領は、選挙戦中から経済民主化を打ち出し、今日まで至っているが、経済の牽引は財閥主導で長く行われてきており、かつ経済政策もこれまで財閥優遇処置によるものだった。低所得者層や非正規雇用者などの社会的弱者の反発が大きいとはいえ、経済政策を簡単に大転換できるものだろうか。

サムソンやLGを世界的な大企業に成長させた李大統領の政策を否定し、

失政だと斬り捨てて、方向転換がたやすくできるものだろうか。

貿易立国大韓民国は、輸出型大企業の成長ばかりが目に付くが、国内消費経済が改善せず、一流大学を卒業しても卒業生の半分が就職困難な雇用情勢であり、不公平感が満ちて来ている。社会的弱者層の消費借入額が急増し、社会的な格差も大きくなりつつある。ウォン高を利用して、構造転換を図り、内需拡大が急がれるところだろう。果たして、かつてのIMF危機がトラウマとなっている韓国だが、果たして通貨危機を心配する声は杞憂に終わるだろうか。