3月2013

見通しは、たっているのだろうか。環境税強化の中国

生活

 春節休み明けの北京市では、予想されていたことではあるがPM2による大気汚染が日本の環境基準の15倍にも達し、見通しが利かないということで高速道路が通行止めになった。

PM2の汚染から見通し良好な状態は、晴れた風の強い日ということで、なんとも天気任せということである。ただ、過日もふれた話だが、共産党の高級幹部、行政に多大な権限を持つ中央の高級官僚や地方政府の首長が、業界団体の責任者をかねていたりする中国では、環境基準を強化するより、行政機構を変える方が効果的かもしれない。ただし、自浄的な行動を阻害する各種の利害調整ができればの話であるが。

 

環境悪化の原因を外資系企業の工場の廃気や廃棄物によると論調する中国国内メデイアもあり、尖閣諸島国有化問題以降冷え込む日本との関係もあって、

PM2の原因が日系企業の排出によると名指しする論調もある。

客観的にみれば、行政指導の力が落ちているからだといわれそうなものだが、

仮にであっても、反日行動の口実にされてはたまらない。

 

過去、日本でも東京をはじめとする大都市圏の排気ガスが、市民にもたらす

健康被害やGDPのマイナス要素の試算がさかんになされていた時期があった。

日本もかなり多くの支出や投資期間を経て今日があるが、将来を見通して思い切った施策を導入した経緯がある。中国では、社会保険等法定福利制度の導入にあたり、外資系企業に負担を強いてきたが、今回の環境悪化を乗り切るために大幅な環境税の負担を外資系企業に行わせるという青図があるとも聞く。

魅力的な巨大な市場としての価値がうせるわけでは無いが、2000年以降、

平均賃金が5倍に跳ね上がり、工場を稼動させるための電力や脱硫に問題のある石油、さらには工業用地下水の枯渇という問題も抱えている中国に、外資系企業の負担増加を対策として安易に考えてよいものかと疑問が沸くところだ。

 

北東アジアにおいて、日本と韓国は、経済成長の頂点の時期と人口の最大になる時期が重なるという「人口ボーナス」を余すところなく得るという幸運に預かった。中国は、押しも押されぬ経済大国にはなったが、人口ボーナスを得ることなく、経済のピークが過ぎてゆく過程にあることが明らかである。しかるに、明らかに巨大市場に参入するコストが割高になれば、市場からの撤退も視野に入れて活動する外資企業も出てくるはずである。環境税の導入や一層の外資系企業への負担を目論む中国の為政者に、見通しが十分にたっているようには思えないのだが、果たしていかがなものだろうか。