3月2013

この国の形づくりにNPO/NGOを生かす

生活

税制のあり方の中でNPO法人への税額控除について検討は、いまだ不十分だと小職は考えている。非営利組織基準評価会調査報告によると、NPO法人の数は全国でおよそ4万法人程度と推察される。この中から活動状態を把握できる3割の1万2千法人を財政面から調査したという。これら1万2千法人のうち、およそ7割が民間人のよって設立され、運営されており、市町村などの自治体が設立したものが7%。社会福祉法人によって設立されたものが3.6%。公益法人によるものが2.5%で、企業によるものが3.3%と発表されている。

特筆すべきは、1万2千法人の54.5%が寄付金収入が全くないと報告していることである。

 

民間の非営利組織の活動を充実させて、広く福祉や医療などの分野で社会を支えるということは、欧米の先進国でも見られるごく当たり前の市民活動である。ましてや超少子高齢社会の日本において、公的な福祉サービスだけで支えられるものではない。また、福祉の分野でのNPOは、介護保険導入後、他業種に比して人件費を抑制した経営を行っても、公的助成がなければ成り立たないという組織が多いのが現実である。

 

現況で国税庁長官から寄付金による税額控除を認められている「いわゆる認定NPO法人」の数は、120であり、おおよそ4万件のNPOの0.3%に過ぎない。認定NPO法人を増やすとしても、どのように基準を変えるかは簡単なことではない。いたずらに、税額控除を拡大する政策をとると税収の落ち込む国税地方税双方の税収の更なる落ち込みがおきる。

とはいえ、個人が期待するNPOに寄付しやすくすることは、社会基盤の充実に欠かせない。原行の「所得控除」方式では、たとえば年収500万円の人が3万円寄付した場合、寄付金額の3万円から2千円さしひいた金額の2万8千円に所得税率を乗じた2千8百円が税額控除金額となる。3万円寄付して2千8百円の控除金額は、いささか少ないように個人的には思う。いかがだろうか。

ところで、NPO法人と名乗る団体にいかがわしい組織があるのも事実である。

非営利活動促進法に基づく法人ではあるが、認証されて設立されるのは、法律のよって立つところが、善意の市民による善意の活動を前提としている。検証がゆるかったため、設立後NPO法人が反社会的な活動を行い、市民に多大な迷惑をかけた事例も枚挙に事欠かない。寄付金税制による支援は欠かせないが、基準緩和には市民の確かな目が欠かせない。結局、NPO/NGOという社会財を生かし、成熟し、明らかに縮んでゆく日本社会を支えるNPO/NGOの存在は、市民が生み育て、この国の未来を形づくるに欠かせないことは明らかである。