3月2013

中国の自動車産業は、グローバルな競争力を持てるか

生活

 小生は、1990年代の終わりから2001年まで中国の自動車産業振興

セクターに派遣されていたことがある。いわゆる政府開発援助で、ノンプロ

ジェクトと呼ばれる人的な技術支援、人材教育支援を主にする仕事であった。

そのころ、中国の完成車メーカーが100社以上といわれていた。

多くの提言書で、将来の国際競争力や物流コストのことを考え、企業集団を

集約すべきであると強調されていた。

 

その時からすでに、10年以上経つが、今も中国の完成車メーカーは120社

程度あるとされている。

一般的に中国の完成車メーカーとしては、上海汽車集団がドイツのフォルクスワーゲンからサンタナの生産技術を導入して、大衆車の生産台数を飛躍的に伸ばしたというイメージがあると思う。中国要人が使用する高級車「紅旗」は第一汽車によるものだが、長くドイツのアウデイからの技術導入が生産技術を支えてきた。さすがに、国家規模のプロジェクトともなると、設備や人材、資金に至るまで計画がしっかりと策定されているようだが、中堅以下になると技術開発も劣る。

 

中国では、「開発(カイパー)」の概念の中に海外メーカーの製品を分解して仕組みや構造を模倣することも含まれているようで、未だに知的所有権に関するモラル向上に問題が多い。

完成車メーカー120社が、かようであれば傘下の2000ともいわれる部品メーカーの技術開発力もおおむね察しがつく。メーカーの集約化も官僚や共産党幹部の思惑や面子もあり、思うように進まないというのは他の産業とも事情がかわらない。

 

しかし、注目すべき企業は当然ある。アメリカの著名投資家の推奨ということもあり注目を浴びたBYD社は、家庭で充電できる電池車の製造で脚光を浴びてきた。欧米や日本の自動車メーカーの電気車と開発コンセプトは異なっているが、中国のやアジアの市場に支持を得られそうである。

中国の自動車メーカーが、欧米や日本のメーカーが市場開発してきた手法を

模倣することなく、途上国の望む安全基準や耐久性や管理コストのニーズに徹底して取り組めば、欧米や日本のメーカーは太刀打ちできない可能性も大きい

ように思える。とはいえ、完成車メーカーで中国企業で生き残れる数もおのずとはっきりしてくるだろうし、裾野の広い産業だけに、地域振興や雇用の調整まで踏み込むことは避けられない。果たして如何にジレンマから脱却できるか。