4月2013

安全な水の不足する中国

生活

  先ごろ、上海の黄浦江でウイルスに犯された夥しい豚の屍骸が見つかったとのNEWSは、市民にとってもかなり衝撃的だったようだ。回収された屍骸は、

1万6千頭にも上ったと報告されている。過日、中国の大気汚染や水質汚染問題にふれた折にも書いたが、問題解決には大きな壁がふたつ立ちふさがると思われる。

ひとつめは、大きな権力をもつ共産党の幹部や高級官僚が、業界団体や企業集団の代弁者となって行政指導等に関与するため、実効性の伴う施策を打ち出すことが困難であろうと。ふたつめの問題は、生活習慣やモラルの問題が立ちはだかることだろうと。

今から二十年前の上海の市街地の集合住宅は、共同トイレがほとんどであった。尾篭な話だが、目覚めると市民らは「壷」を抱えて窓や扉から中身を外へ。

 

まだ、二十年前のことに過ぎない。その当時、定年を迎えたばかりの人も数多く元気で暮らしているに違いない。人の風俗習慣が、簡単に変わるとは思えない。言い方を代えれば、思考習慣や行動習慣が中国的なものから西洋的なものに変わるとは思えない。

中国の養豚は、人糞を餌にしてきた。

家という字に豚があるように、本来トイレの中で飼って家畜である。

そのような生活習慣が、経済発展に伴い、豚精肉の大量消費によって変わってきたとしても感覚が、簡単に変わるとも思えない。

鶏もほとんど放し飼いにされ、長い間、家人の食物残滓が窓や扉を開けて庭に撒かれていたのだった。これらは中国の生活習慣と結びついて、合理的なほう方法だったに違いない。

 

現在の中国は、国内にある水の85%を工業用水が使い、水が慢性的に不足しているにもかかわらず、水道料金が安いために節水されることもなく使われている。水不足の実態は、国連が指標とする「ひとり頭1000立米」に対して「ひとり頭100立米」しかないという。中国は、世界人口の20%を占めるが、水は6%しかないという状態である。したがって、中国人のうち3億人が安全な水を飲めないでいるという、健康被害は潜在的にあると思われるから、国家の損失は計り知れないことだろう。水の不足を金額に置き換えるとGDPの1.1%相当額の1兆8千億円にも上るという。資源外交などで、これまでアジア太平洋地域やアフリカに足がかりをつくってきた中国であるが、安全で安心な水の確保こそ、緊急性の高い事業であると思われるのだが、PM2.5同様に問題解決に相当時間がかかりそうな様子である。