4月2013

中国の不均衡問題は、国内経済に留まらず

生活

 中国が、13億とも言われる人民を抱え、安定した国家運営を行うには、もはや放置できなくなった経済格差の是正を急ぐことだろう。しかし、格差は固定化しつつあり、是正は簡単なことではない。

 

都市戸籍者と農民戸籍者の格差は、深刻で放置できない人権問題のように深刻化している。安定した生活を約束されているように見える都市戸籍者も「房

隷」といわれるように住宅の購入保有が容易ではなく、ひとにぎりの富裕層との格差も大きい。潜在的な不満も想像以上であり、社会不安定要素として否定

できなくなっている。さらに眼を転ずれば、広い中国の国土の中で地域間格差も是正しがたいものとなり、豊かな都市部が財政的に基盤の弱い地方を支えるという「傾斜」処置にもかかわらず、その差が縮まったような報告を聞いたことがない。眼に見えた成果の披露は、きわめて厳しいものである。

 

ところで米中二ヶ国間の交渉事は、大量に米国債を保有する中国側が有利に進めることが有利、あるいは可能とする見方をする世界中のメデイアが多かった。特に、リーマンショック後、日米欧のダメージの深刻な様子に比して、4兆円もの財政出動を行い、世界中で一番早く経済回復を見せた中国は羨望の眼を集めた。

 

はたして、今はどうなのだろう?。

米国は、ここしばらく金融緩和政策で無制限にドルを刷り続けている。

中国は、懸命に輸出をおこない外貨を稼ぎ、米ドルを貯め、米国債を買い増し、国外資産を増やし、あるいは資源開発によって嫁得した米ドルに似合った分を

さらに増やすということを毎年繰り返してきた。米国は、国際社会に対して、あるいは直接、中国は経済力に似合った適正な為替水準を保つべきだと訴えてきたが、牛歩のような為替の高値誘導しか引き出せず、損をこうむっているかのように見えなくもない。

しかし、実情はどうなのだろう?。

中国とて、無制限に刷られる米ドル資産を抱えているばかりでは、保有残高に比べ、対米交渉時の材料としては強みを発揮できないのではなかろいうか?。

ましてやEUの債務超過国や財政破綻国の存在によって、無制限に刷る米ドルであっても価値が著しく下がっているということもない。稼得したものを国内に向けると不動産バブルや物価インフレに向かわせることになりかねず、3兆数千億ドルともいわれる外貨準備額をいかに減らし、均衡の保てる体制をつくることは至難である。強い巨大龍は、大きな疾患を持っている。