4月2013

日中韓FTA交渉のゆくえ

生活

 相対的に欧米の経済力や政治力が低下する中、日中韓のFTA交渉のゆくえは、

世界の大きな関心事になっていることだろう。北東アジアの3国で、実に世界のGDPの20%超を占めている。

 

日中韓3カ国のいFTAの成立は、かつてのEU経済圏や北米経済圏のそれぞれが統合されたときと同じか、あるいはそれ以上の波及効果があるだろう。

欧州統合や北米のNAFTAは、地域性はまだしも、文化的、宗教的、言語的な背景が共通することなどを最大限に利用し、成果を挙げてきた。

 

日中韓は、北東アジアの同一地域にあるとはいえ、陸続きに接しているわけでもなく、また三者三様にお互いに領土問題で、現在も激しく対抗していると

いう事情を抱えている。このことは、交渉に影を落とすことだろうか。

 

中国は、世界がうらやむほどの外貨準備高を誇っているが、国内の経済問題に眼を転ずると、FTAの交渉如何によっては、国内の反体制分子を勢いづけかねないという心配がある。

経済規模は大きくなっているが、社会制度の構築においては発展途上国並の

脆弱さも知られており、経済開放とともに充実を如何に図れるか関心が集まる。

 

韓国は、貿易立国を掲げ、いまや世界に冠たるFTA大国の地位を得ている。

アジアのほとんどの国が、近年まで農業立国を標榜してきたが、韓国の対欧州、対米国におけるFTA交渉は、この分野での譲歩をあっさりと行ってきている。

 

中国、韓国ともに、すでに経済大国ではあるが、人民元、韓国ウォンともに世界経済を支え応分の役目を負う国際通貨になっておらず、今後の経済動向によっては、それぞれが国際通貨化するに伴い、日本がかつて苦渋をなめたように通過儀礼を甘受することになるやしれない。

 

さて、日本に眼を転ずると比較的今後の経済状態に期待が持てるということと、無制限の金融緩和政策という少なくとも中期の経済戦略が立てられている分、交渉に様々な選択肢を選べるや知れない。

近未来のこととて、予測は困難であるが、世界をリードしてきた米国経済の規模も縮み、さらに世界経済自体が縮み、経済成長の切り札としてFTAが欠かせないように潮流は大きく明らかである。不確定要素としては、危険極まりない北朝鮮の瀬戸際外交があるが、中国のために主張を抑えてくれるだろうか。