4月2013

日中韓FTA交渉における自動車の扱い

生活

 先に韓国と米国のFTA締結により、米国内で生産された日本メーカーの自動

車が恩恵を受けており、価格競争力と排気ガスや燃費などの高付加価値によって新たな市場を開発できそうであると伝えた。

自動車は、3万にも上るパーツで組み立てられており、完成車組み立て工場を頂点に部品工場などの裾野が広く、雇用力が大きな産業である。

 

それだけに、FPA交渉(経済連携協定)でも自国の雇用の確保や競争力の維持や強化を念頭においた厳しい交渉の的にもなる。

日本は、現在EUとのFPA交渉に入っているが、自国に自動車産業を抱える

フランスやイタリアが日本車の輸入急増を警戒し、EPA締結に慎重な態度を崩さない。韓国は、すでにEUとFTAを締結しており、対EUとの競争において

日本は価格面においては競争相手ではない。

反対に日本にとっては、EUとのEPA締結によって自動車関税の10%

や液晶テレビ関税14%の大幅な引き下げが市場拡大を期待させる。

 

さて、日中韓のFTA交渉でも自動車の扱いは厳しい交渉になりそうな気配である。理由は、EUとのEPA交渉のところでも出した自動車産業の雇用力の大きさから、三カ国それぞれが、一定の雇用を確保する政策が採られる可能性が大きいと思われること。

そして、中国においては、自動車産業の再編成が本格的に進んでいないこと

もあり、乗用車関税25%、工作加工機械同じ9.7%の引き下げを容易に行いにくい環境にある。

さらに韓国においては、自動車の主要部品であるギアボックスの関税が8%

となっているが、引き下げれば、輸入車の割安感が高まるのは明らかである。

 

三カ国のFTA交渉は、ASEAN+日中韓の東アジア包括的経済連携の基本的な枠組みとなる可能性が大きく、いかに自由な市場を確保しつつ、自国の利益を守るかという点では、厳しい交渉の連続が予想される。

 

さらに、米、EU、日中韓の世界三大市場が、いかに競争しながら連携してゆくかという問題もある。その中で、交渉参加に出遅れた日本は、巻き返せるのかどうか。決められない政治の過去数年間で浦島太郎のような日本は、経済連携や関税撤廃交渉で、主要国の後塵を拝するようなことにでもなれば、国内の

社会制度を維持できないくらいに経済の基盤が根底から崩れることだろう。