4月2013

対中FTA交渉での期待分野

生活

 21世紀に入ってからも米国は、スーパーパワーであり続けているが、一

時期、国際競争力の低下から保護主義に傾いていた。その流れで、世界的に

保護主義の潮流が強まりかけていた時期もあった。

今は、関税完全撤廃、あるいは条件付関税撤廃の下、FTA(自由貿易協定)

の締結交渉が盛んであり、決められない政治の現われで、ひとり先進国と新

興国で日本だけが出遅れていた印象が強い。

 

日中韓の市場は、GDP(国内総生産)の世界全体に占める割合にして20%

の巨大市場である。特に、GDP換算で世界第二位の中国と同三位の日本の交

渉の行方は、アジア圏のFTA交渉の動向にも影響を大きく与える違いない。

対中交渉においては、中国国内の産業育成方針に基づき、関税が大きく欠

けられているものがあり撤廃に期待が集まる。関税率の大きなものには、自

動車が一番めに上げられるが、続いて工作機械、化学製品などが挙げられる。



実は、対中国貿易品目の約7割に関して関税が残っており、これらの取り

扱をめぐる交渉(対韓国でも約6割)によっては、大きく輸出が拡大される

可能性があり、これら業界団体の期待値は高まっている。当然、日本として

は、対中交渉では関税の残る分野について、関税の撤廃や大幅引き下げを迫

ることだろう。



反対に中国は対日交渉に農産品の関税撤廃や大幅引き下げを求めてくるこ

とが予想される(韓国も農産品については同様と思われる)。国内屈指の圧力

団体であるJAのかたくなな態度を見れば、いやおうなしに交渉は暗礁に乗り

上げてしますことだろう。

農産品は、命や健康の問題に直結するだけに、基本的な取り扱い方にブレ

があってはならないが、他方、農業が生んでいる雇用や生産額は、日本経済

全体では、ほんのわずかでしかない。他方、東日本大震災被災地の復興事業

を描こうとする場合、農林水産業が長く地方の基幹産業としてきているだけ

に配慮も必要である。付加価値の高い、競争力のある農産品を生産する事業

主らは、FTA締結をビジネスチャンスだとみなしているようだが、自然相手

の産業ゆえ、弾力的な政策が必要であることは間違いない。厳しい攻めぎあ

いの予想されるFTA交渉であるが、締結がTPPに大幅に遅れをとったり、

中韓二カ国による交渉のみが締結されるようであれば、日本にとっては大打

撃であるが、他方、中国にとっても世界第3位の経済大国を同一経済圏内に

取り込めないのは、相対的影響力の低下とFTA圏の価値低下を招くだろう。