4月2013

日中韓FTA交渉、サプライチェーンの行方

生活

 日中韓三カ国におけるFTA交渉では、それぞれが複雑な国内事情を抱えて

おり、譲歩無き主張合戦や合意の先送りなどが続けば、市場形成の期待の裏

返しとなり、市場の失望は図り知れないほどに大きくなることだろう。

他方、日中韓の協調により、三方両得となることも期待される。

例えば、裾野の広さ大きさから、様々な期待が寄せらる自動車産業であり、

家電産業である。

 

東日本大震災が日本を襲い、日本経済に与えた生産現場へのダメージが予

想以上に大きかったが、高度な生産技術を必要とする精密加工部品や生産に

直接関係する工作機械の輸出が停滞したことにより、中韓両国に与えたダメ

ージもかなり大きかった。

 

同様に、記憶に新しいところでは、日系自動車組み立て工場や同部品工場

や日系家電工場が、タイ国の水害によって生産停止に長期に追い込まれ、イ

ンドシナ半島や中韓両国や日本国内にいたるまで、機能しないサプライチェ

ーンがアジア地域や世界経済に与えたダメージもかなりショッキングなこと

であった。

小異を捨てて、非常時にも力強く機能するサプライチェーンの構築は、日

本以外の中韓にも大きく経済成長にプラスに働くことだろう。

 

なかんづく、日中韓三カ国がそれぞれに領土問題や海洋資源問題で激しく

主張を先鋭化させている中でも、FTA交渉が予定通りに俎上に上った事実に

鑑み、関税撤廃による自由貿易だけでなく、サプライチェーンの強固な構築

が如何に経済成長に寄与するかについて、認識はなされていることだろう。

 

交渉は、投資やサービスなどの比較的に合意に至りやすい事案から始まっ

ているが、本格的な交渉に入れば、中韓両国の輸入完成車への関税や重要基

幹部品に対する関税の大幅な引き下げを主張する日本と激しくぶつかること

も予想される。

サプライチェーンの構築とともに、タフな交渉に期待が寄せられる。

 

日本にしてみれば、韓国自動車市場で米韓FTA締結により恩恵を受けては

いるが、世界最大の自動車市場で、韓国車は無関税で、日本車は25%課税

というような競争にもならないような事態に陥ることは避けねばならない。