4月2013

中国の経済成長に関する見方

生活

 日中韓三カ国FTA交渉は、ようやく緒についた。

三カ国は、それぞれ国内に複雑な事情を抱えているが、世界のGDP比にして

20%の市場を形成しようと努力している。このことは、特に中国の人口が形成する市場に、三カ国それぞれが期待を寄せているからではなかろうか。

 

さて、2000年以降10年間も経済成長率10%以上を達成してきた中国

だが、社会の安定的な発展に必要とされる経済成長8%維持(いわゆる保八)が出来なくなった。

このことを悲観的に考える立場と楽観的に考える立場に大きく分かれている。

悲観的に考える立場は、当面、必要と考えられてきた社会資本いわゆるインフラ投資も適わなくなり、次第に投資全体がしぼみ、それによって経済成長は鈍化してゆくと大方の主張である。

反対に楽観的に考える立場は、経済成長を支えるには経済的な価値の産出は

大切であるが、一番重要な要素は消費であり、その点で考えると中国には消費を旺盛に支える人口が膨大であり、過度な心配は必要ないという主張である。

 

ところで、日中韓三カ国は世界でも稀に見る経済成長を実現してきたが、三カ国のうち中国だけは、人口ボーナスを享受することなく、2015年からの人口減を迎えることとなる。日韓国は、高度経済成長をそれぞれ過去最大の人口時に迎えており、経済成長の恩恵を国民全体で余すところなく享受した。

他方、中国は経済が低成長の時代から人口増加問題に苦しんでいたことから、”一人っ子政策”に舵を切らざるをえない事情もあった。

 

投資の分野では、社会資本投資以外にも経済成長を大きく支える投資分野が

ある。先進の設備投資であり、将来の研究開発投資である。

中国は、改革開放経済の方針の下、外資企業を誘致し、あらゆる産業で合弁企業を発足させてきた。この点では、大きく技術導入による産業育成を図れたことだろう。しかしながら、中国民族系企業の時代を拓きゆくような開発投資は、さほど盛んに行われてこなかった。

市場への供給が過剰となってもブレーキが壊れたかのように、過剰な生産を

繰り返し、不毛な競争で市況を悪くするなどの事態に陥ってきた。

また、官尊民卑風潮もあり、民間企業のチャレンジを支援する仕組みは、十分には整ってはいない。中国が成長をさらに続けるためには、巨大な市場を抱えていても、必要な資金が適時適切におこなわれるかにかかっている。