4月2013

日韓 通貨スワップ協定

生活

 アジア通貨危機以降の韓国は、外貨準備高を増やすことにつとめ、また流動 性を高めて備えにつとめてきた。

2012.10.31に、日本が韓国に緊急時に融通する通貨スワップ協定は、特別な配慮によって700億ドルまで枠があったものが、現在は特別な枠がはずされて、特別な配慮がされる以前の130億ドルにまで枠が戻されている。

竹島問題など日韓の外交問題が、尖鋭化するに及んで日本側から韓国に特別な配慮をする理由が無くなり、また外国為替と入り引きで韓国の長期安値傾向によって、輸出競合にあるとされる日本製品の不振が続いていた日本産業界の事情もあった。自国通貨安と輸出攻勢をかけている韓国に通貨スワップ協定で、さらに便宜を図る必要があるのか?という問いには当局担当者も応えに窮したことだろう。

韓国の輸出上位100の製品のうち、およそ半分の51品目を日韓両国は輸出貿易で競合していると見られている。したがって、外国為替市場で韓国ウォンが10%値上がりすれば、直ちに貿易収支に跳ね返るだけでなく、市場占有率にも現れてくる。

 

ところで、日本は外貨準備高がおおよそ1兆2千700億ドル程度あるとみなされ、そのうち1兆1千800億ドルを流動性の高い(換金が容易にできる)

短期米国債の購入に当てている。保有する外貨準備高の大方が流動性資産である。

他方、韓国は外貨準備高が3千234億ドルにのぼり、外貨準備高世界第7位を誇っている。さて、外貨準備高の運用については、韓国は日本と大きく事情を異ならせている。韓国の場合、流動性の高い短期の米国債は、4.5%に過ぎず、収益性資産(長期運用)が80%程度に上ると見られている。

また、韓国の民間外貨建て預金比率は、30%程度であり、新興国のインド

(23%)やインドネシア(17%)を大きく凌いでいる。対外短期債権保有

率の急激な変化によって、韓国の外貨支払能力は大きく低下しかねないだろう。

 

これらのことが杞憂に終わればよいのだが、北朝鮮の度の過ぎた挑発が続いており、ミサイル発射や小規模といえども武力衝突によっては、韓国が大きく依存する外国資本の引き上げや韓国ウォンの急激な安売り(いわゆる韓国売り)を引きおこさないとも限らないと思われる。

世界に冠たるFTA大国、経済大国である韓国は、実は体質的には強いとはいいにくい状況にいまだ変わりないといえよう。