5月2013

中国の経済安定化は進んでいるか

生活

 年初来、中国の対GDP比成長率の後退は明らかになっている。

過去、30年間にわたり、対GDP比成長率が、年率10%程度続いてきたと

されていること自体が脅威であって、低成長期に移行すること自体なんらの不思議もない。

 

高度経済成長期から移行しても、国内事情からさらに経済成長を続けなければならない中国にとって、万人の目に届く愁眉の課題がいくつかある。

ひとつは、不動産の高騰を抑えられるかだろう。中国の不動産バブルは、地方人民政府が、開発を率先して行い興してきた。だが、その富は富裕層や党幹部や高級官僚を中心に偏在しており、「房隷」など造語も生まれているように、平均的な人民にとって安住できる不動産を得られる環境になっていない。

日本でも不動産狂乱の時代に、「年収の5倍以内の価格」で住宅取得ができるようにという目標が掲げられていたたが、中国はどうやらそれを上回った不動産市況のようだ。実需も無く、「鬼城(ゴーストタウン化)」している大型開発なども行われているが、官製バブルによって用意に資金を調達できる層が存在していることや、以前として汚職撲滅が出来ない自浄作用が働かない中国で、不動産高騰を押さえ込むことは容易ではない。

仮に、不動産高騰を抑えられたとしても、夥しい億千万の人民に安定した住宅供給を施すことは、この先、気の遠くなるような長征の道をゆくことになるだろう。

 

さて、GDPの30%程度まで貿易輸出を伸ばし、経済大国となった中国が、貯めに貯めた3兆ドルともいわれる外貨準備高をバランスよく減らし、内需を喚起して経済構造を変革できてゆけるかである。

外資企業への就業者と貿易輸出による雇用者の合計は、推計で2億人程度といわれる。これまで、安価な労働力調達によって価格競争力をつけてきた中国

であるが、極端に少ないといわれる研究開発投資に力を入れるなどして、高付加価値製品の製造に転換してゆかねばならない。途上国の成長も侮れまい。

中国の31の省は、現実的には最貧国に等しいといわれる。中国の経済成長によって、利益・恩恵を得ているのは沿海地方のごく限られた都市部住民と前出の不動産投資などで資金調達が容易にできる一部の層の人間ばかりだといわれている。国土や社会の均整のとれた発展がなされなければ、貿易輸出一辺倒で稼ぎ出された富を次世代、次々世代のために効果的な使い方ができる見込みも無くなるだろう。習近平~李克強体制の背負った宿題は、早く終わらせることができるだろうか?。領土や地震よりも深刻になりそうな気がしてならない。