5月2013

花も穀物もいろいろ

生活

 「鬼もあり姫もありけり百合の花」~上島鬼貫~という句がある。

夏の花は、向日葵とかダリアなど濃い色のややもすれば、派手な花が多い。

百会の花は、陽光を浴びていても、雨のしずくを浴びていても様になるよう

な気がする。近年、食べ物ばかりでなく、花も人間の都合で咲かせ、今はや

りの言い方をすれば、フードマイレージをかなり使って家庭に取り寄せている。句の世界を彩る季語。それらの中で花々は、徐々に風情を伝える力を失いつつあるのかもしれない。言葉が生き物であったとしても、時代や風俗の反映されたものとしても由々しきことではなかろうか。

 

繰り返し報道されるので、わが国の食料自給率がカロリーベースで39%

程度にとどまることは認識されつつある。バイオエタノールや原油の高騰、

さらにはだぶついたオイルマネーの投機先に穀物などが標的にされ、わが国

を取り巻く様相にも危機感が滲み始めた。

たとえば「ごま油」。小豆島にあるメーカーが圧倒的なシェアを持つ。地方の小さなガリバー企業の独壇場を許すのだから、さぞや「ごま油」が小豆島でたくさん採れるのだろうと思えば、見込み違いである。確かにオリーブオイルは良質のものがたくさん取れる。日本のごまの自給率は、1%にも満たない。元来、中国産のものが多かったが、中国は輸出規制を敷き、仕方なくアフリカなどから取り寄せるが、契約意識が薄く、輸入に支障が突然出ないとも限らないという。江戸前のからっと揚がった穴子のてんぷらは、アフリカのお世話が必要とのこと。

さて、てんぷらを食べた「しめ」に「もり蕎麦」でも食そうとしたら、出汁をつくる醤油の元の大豆は、大方、アマゾン産。バイオエタノール用作付けと輸出用穀物作付けで、生産者は天秤さんにお伺いを立てておいでである。なんとも危ない海路をたどっての大豆様参上である。そして、蕎麦。中国は、輸出規制をかけて輸出関税を20%値上げした。蕎麦屋も受難の時代である。

食料は、完全に安全保障の中心にすえて考えねばなるまい。

アフリカやアジアの最貧国では、食料問題が引き金となり暴動が起きている。

世界食糧計画は、昨年に比して35%も値上がりした穀物のために、食料支援に困難を極めている。さらに、原油高騰により輸送費の負担が覆いかぶさってくる。長く減反政策を続け、お金を払って休耕を奨励してきたわが国は、急激ではあろうが、大きく舵を取り直さねばならない。家庭にあっても、ビタミン豊富なハーブ類やプランター栽培にやさしい作物等の生産奨励があっても良い。ベランダでも野菜は作れる。バケツで米も作れる。これらの花を楽しむのも良い。季節の野菜の花は、観賞用のものと違った趣もある。