5月2013

中国のマネーサプライ

生活



李克強国務院総理は、若きころ一時期、本気で考えたといわれる学究の道を進もうとしていた。仮にそちらを選択したとしても、必ず成功したであろうといわれるほどの見識とともに、政治経済分野での論文の業績も豊かにある。

その李総理が首相就任前に、「中国政府の発表する統計数字」は信頼に値せず、李総理自身は、「鉄道輸送実績」、「電気使用実績」、「銀行貸付実績」等の

指標を判断に用いていると発言し、国際的にも注目をかなり浴びた。当時の李

副総理は、大胆にも中国政府のGDP統計は、信憑性に乏しいとまで発言した。

事実、李総理の発言要旨は、今日まで様々に検証されており、かなり信憑性の高いものとして各方面に受け入れられている。

 

さて、中国の鉄道貨物輸送実績であるが、春節(旧暦正月)以降も減少したままで(2013年1月以降マイナス基調)、回復が早急にはできそうにない厳しい見込みである。ところで、欧州経済危機によって、欧州方面へ輸出量はかなり減っている。米国は、経済回復の足取りが力強いといわれているが、中国の人件費高騰などにより、合理化できる製造業種については、生産拠点の米国内回帰が見られ、再び中国から米国内に工場をシフトして構える企業も出てきている。日本への貿易輸出については、製品の分野によって、明らかな円安傾向によって中国企業が、対日本企業において価格競争力をかなり落としてきていることが明らかである。

 

中国は遡って30年間、ひたすら改革開放経済を突き進んできた。

貿易輸出で稼いだ外貨は、ひたすら米国債を購入し、それに応じた経済規模を

人民元のおきかえて、市場に供給し経済を拡大させてきた。

日本では、バブル経済の最盛期直後、不良債権率が7%にまでのぼり、その処理に後遺症が重たくのしかかり、失われた20年にまでつながっている。

中国の不良債権率は、共産党幹部や地方政府高級官僚などの斡旋汚職もあり、

当時の日本をはるかに上回るものである。中国の発表したGDPによれば、昨年2012年から5年間遡ると、供給量は2倍程度にふくらみ50兆人民元を越えているとしているが、専門筋によっては人民元のマネーサプライ(通貨供給量)が、GDPの2倍程度にまで膨らんできている。この5年で、当時の通貨供給量が2倍程度にまで膨らんでいる。人民元は、国際化しておらず、マネーサプライがバブルを深刻にさせている。不良債権償却を行うために、人民元を大量に印刷し、市場に流通させたとしたら、追って税収のような形で回収もせねば、狂乱物価を招くようなインフレーションが起きないとも限らない。はたして、中国のマネーサプライの実態は、深刻になりつつあろう。