5月2013

中国の砂漠化

生活

 中国は、国土の20%が砂漠だといわれている。 意外と広いと感じられるかも知れないが、西部内陸部に砂漠が大きく広がる。

おさらいになるようだが、中国は東西に約6000キロメートル、南北に約5000キロメートルと国土が延びている。したがって西部内陸部の一番遠方は、ウズベキスタンに隣接しており、いわば砂漠の真ん中にある地域である。このあたりは海には、どの方向にも遠く、風土気候が湿潤に程遠く乾燥しきっている。国土の20%が砂漠であるというのは、かような乾燥地域が広い国土には自然と発生しており、無理からんことでもある。

 

しかしながら、大きな砂漠があるということと、砂漠化が進むということは大きく異なり深刻なことである。

内蒙古自治区は、北京から省都フフホトまで列車をつかっても凡そ600キロの距離であるから急行列車でも数時間の距離である(ほぼ東京ー青森の距離)。

2006年4月22日の気象記録に、北京市にこの日黄砂が30t降ったと

ある。黄砂シーズンであれば、期間内に降る黄砂の量はすさまじいものになろう。黄砂は、中国の広範囲だけでなく、韓国にも日本にも降ってくる。

 

砂漠化は、保水能力のある土地を失うということばかりでない。農作物が獲れなくなるばかりか、人や動物が棲めなくなるということであり、深刻な被害をもたらしている。1990年代の後半には、すでに北京市郊外にまで内蒙古から延びる砂漠が迫っていた。うがった言い方をすれば北京市は砂漠の隣接地である。

砂漠化がひどいのは、内蒙古だけではない。内蒙古では日本人による大規模で長期にわたる植樹活動が実を挙げてもおり、さらに長期的な取り組みが必要ではあろうが改善が期待もされている。むしろ、耕作放棄地の多い黄土高原の

砂漠化が心配である。

黄土高原の土は、実に粒が細かく、風によって大きく削りとられ、容易に大量の土が風に舞ってしまう。また、塩分濃度が高いので、大規模灌漑を行っても塩分濃度の高い地域をいたずらに増やすだけに終わる可能性も高い。

繰り返しになるが、砂漠化は保水力のない土地が増えるということである。

中国が、いかに経済発展しようとも人民の命を支える安全安心な水を容易に生み出すことは出来ず、また、大量の水を必要とする工場用水の枯渇させるさせつことにつながりかねない。水資源開発も容易ではなく、他方、農業生産大国の屋台骨を揺るがせ、食料自給問題に追い討ちをかけかねない。さらに、土壌汚染、水質汚染とともに、砂漠化によって水問題が看過できないレベルにある。