5月2013

三農問題

生活

 先の全国人民代表者会議において、温家宝総理は二期10年を振り返り、更なる経済発展のために、都市化の推進と雇用開発を行うべきであると発言した。

「都市化の推進」と「雇用開発」とは、具体的にどのようなことをさすのか。



おおよそ、中国人民の全人口が12億人とした場合、約4人に3人は農民である。ひとつの目安として、国民の食料をまかなうのに必要な耕地は、ひとり頭0.1ヘクタールといわれている。中国は、耕地開発が最大に拡がったときには、おおよそ1億3千万ヘクタールにまで達したといわれているが、現在は耕作放棄地や農地転用による不動産開発により、すでに1億2千万ヘクタールを大幅に割り込み、数字の上からも自給が厳しい事態になっていることが明らかである。この問題の根底には、三農問題が横たわっていると考えられる。

即ち、「農業」、「農村」、「農民」問題である。



中国は、本来、伝統的な農業大国である。だが、億万の人民の胃袋を満たすことは簡単なことではなく、過去に大躍進時代に多くの人民を餓死に追い込んでいる。それだけに、命を支える農地管理や農民の戸籍管理を厳密に行ってきた。

だが、「農業」は現金収入に結びつきにくく、生産性を向上させることが容易ではない。また「農村」は、経済発展に結びつきにくい形態である。さらに「農民」は、低収入の上に、社会保障制度から遠ざけられた存在である。中国の経済発展のためには、「三農問題」を解決し、「農民が生活を心配なくおくれるようにする就業支援」、「社会格差を是正する社会保障制度の充実」が必要である。

改革開放経済は、広東省を中心にした華南地区から展開されていった。

そのため、大陸の東側の沿海地域に近い地方の農民らが非効率な農業を離れ、

「盲流(無暗やたらに流れてゆくという意味)」となって、出稼ぎ者となり都市生活者になった。都市戸籍者らかの差別もあり、また住居をはじめとする待遇にも恵まれずに未だ多くの民工がいわれるというが、「盲流」と推計される2億5千万人のうち、1億2千万人が都市生活に定着しつつあるといい、また、その多くが新しい世代に代わっているともいわれる。さて、残りの1億3千万人が西部内陸部の農民戸籍者だといわれる。西部内陸部の農民らは僻地出身者同様に、さげすまされているものが多い。貧しい地域の共産党幹部や地方官僚らは、官主導による不動産開発で経済問題を解決しようと先を争ったこともあり、土地を追われ元にも戻れないものが多い。さりとて、残った耕作地も無理な増産のために無謀な化学肥料による土壌汚染がひどく営農困難地域も多い。

人民の4人に3人の農民らの暮らしの安寧を保証することは容易ではない。