5月2013

通貨危機を越えて、成長市場の東南アジアに

生活

 経済の視点として、依然として日米欧の三極から思考が離れられない方も多い。三極に続くべき極になりそうな市場はといえば、現実的なところでは中国であり、さらに締結によってFTA圏を形成しようとする日中韓の北東アジア圏は、今後、認識が深まることだろう。

しかしながら日中韓によるFTA圏は、領土問題や歴史認識問題などの政治的な問題が前面に出てくれば、たちまち座礁しかねないような懸念もある。さらには、中国と韓国の経済動向に予想を超えた不安定要素も現れてきている。

 

他方、BRICSという国内に大きな市場を抱えた新興国以外にも、有望な

市場が存在する。「東南アジア経済圏」である。

1997年のタイを震源にしたアジア通貨危機では、アジアのみならず世界

全体に深刻な悪影響を及ぼした。アジアでは、タイからインドネシア、マレーシア、韓国に飛び火し、韓国にいたってはIMFの金融支援を受けるにいたった。通貨危機に陥った各国の事情は同一ではないので、ひと括りにできないが

「東南アジア」諸国で共通するのは、自国の体力に似合わない外国為替取引に陥っていたことと、旺盛な設備投資のために内貨の需要を外貨からの借り入れに依存し、そして外貨借り入れも短期性のものに偏りしすぎていたことである。

その度合いが極めて高かったために、通貨や株式、債券の浴びせ売り等を蒙り、

国内経済が瀕死の重症を追った。

 

ようするに、「通貨」に対する信任がなく、外資の引き上げにより、借り入れで資金需要をまかなっていた設備投資や証券投資などあらゆるものが「不良債権化」し、資金不足から国内の金融システムが「機能不全」に陥ったわけである。外貨準備高も底を突き、経済が完全に崩壊した東南アジアであった。

 

現在の東南アジアにとって、最大の輸出市場は東南アジアである、同様に輸入の市場も東南アジアである。21世紀はじめまでは、大きく貿易相手が欧米あるいは日本と依存度合いが極めて大きかったが、現在では東南アジア圏が有望な市場を形成し、さらに発展する様相を呈している。

東南アジア圏は、通貨危機を乗り越えて、資本の充実と金融システムの構築を図り、一時的な経済の停滞はあったが、世界の経済成長センターとして存在感を増してきている。かような認識が一番不足しているのは、日本国内のようである。国民の所得も向上し、購買力も向上してきた東南アジアに対して、的確な市場分析や商材の開発に、東南アジア諸国、中韓、欧米などと比べて、大きく出遅れていた。だが、中国リスクの認識とともに日本の変わりつつある。