6月2013

中小企業の東南アジア進出考

生活

 アベノミクスが大胆に展開される以前、財界首脳から中小零細企業の経営者にいたるまで、「六重苦」の大合唱をしていた日本経済だった。

「六重苦」の時に、中小企業の経営者の多くが「座して死を待つよりは」と、

悲壮な覚悟で東南アジアへの海外進出を唱えていた。「超円高」は、一息ついてはいるが、成長市場に「マーケットイン」型の適切なマーケテイング手法でアプローチするのであれば、依然として東南アジアへの進出は大きな課題である。

 

1997年のアジア通貨危機を東南アジアは、それぞれに独自の政策を展開し乗り越えてきた。内貨による資本の充実を図り、国際的にも信用に高い金融システムも構築してきた。1997年当時には、すでに日本を中心として進出企業向けの工業団地が開発されていたが、現在は東南アジアをひとつの市場化を図るべく、インフラ整備も進み、さらに今後進出を目指す企業向けの興行団地が開発されている。

 

大企業の場合、事業計画から工場建設、従業員採用・教育、物流網整備、生産開始まで多くの年月がかかる場合がある。中小企業と桁違いに体力が異なるので、フジビリテイスタデイは、大企業と同じような発想では計画でさえまとまらないかも知れない。

大企業の一団に組み入れられて進出すれば、苦労も多いかもしれないが、要望どおりに生産し、あるいは役務の提供を行えば、綿密な敷かれた計画に導かれて果実にありつける可能性も高いことだろう。物流問題も解決方法が用意されていることだろう。

物流問題は、思うよりも実はやっかいなことが多い。

日本国内においては、あらゆる物流網が敷かれ、高付加価値商品から買い回り品、最寄品、廉売品にいたるまで似合った物流手段が選択できる。それでも、経営者を悩ませるようである。理由は、もっとも合理化が困難でありながら、避けて通れない問題であるからだ。

中国に進出した多くの中小企業は、大方2つの問題で塗炭の苦しみを味わってきた。ひとつは、品質が良くて適正価格で販売を試みても、売れるかどうかは全く別な次元であるという問題。日系企業の多くが品質と適正価格が市場開拓の金科玉条の如くに思い込んでいる。勇んで進出後、夢破れて撤退した企業の数も知れない。ふたつめは、物流の問題である。材料を適時適切に調達し、

予定の期限までに納めるということが簡単なことではない。大企業のように自前の物流網を持たない中小企業の進出は、物流に目処がないかぎり、発展とともに伸びる物流・調達ラインに対策がない限り、印象として無謀な冒険である。