6月2013

華人経済圏のこと

生活

 一般的に華人経済圏というと香港、台湾に福建、広東の両省を加えた経済圏を意味する場合が多い。香港や台湾に国民党とともに移り住んだ人々は、福建・広東両省出身者がほとんどである。

福建・広東両省は、農業生産が低い土地柄である。そのため、歴史的に古くから出稼ぎに遠方まで出かけていた。たとえば、インドネシアなどには、千年

以上遡って西暦900年代に出かけていた記録が残っているという。

 

東南アジアには、世界の華人の80%超が集中している。

富の集中もすさまじく、各国の70%とも80%以上とも言われる資産を抑えているともいわれる。インドネシアでは、独裁開発が華やかな時代に華人の大量虐殺が起きたといわれる不幸な歴史があるが、現在も全体の人口比率でいえば、3%超の華人が富の90%以上を抑えていると推察しているシンクタンクもある。マレーシア、シンガポールなど華人の存在がなければ国がなりたたないと想像できる国もある。

海洋資源にからむ領海問題で、対中国で尖鋭的になっているフィリピンでも、

経済支配においては華人が、ますます影響力を強めている。また、過去戦端を開き、国境を接するベトナムにおいても華人系の影響力はすさまじいばかりである。小生は、つたない語学力しか身につけていないが、東南アジアでは中国語が通じるので重宝する。ベトナムの場合、ハノイは中国語の河内が語源であるし、「おはようございます」の「シンチャオ」は、中国語の「新朝」が語源である。本来、陸続きの東南アジアへの中国の影響力は図りしれないものが現実にある。

アベノミクスの施策で、東南アジア諸国との経済連携を唱えているが、深く強く掘り下げなければ、機能しないことも想像される。仮にASEANと日本が経済連携した場合、6億人+1.2億人の市場が生まれるが、潜在的な市場規模において、遠く中国には及ばない。オバマ政権が、アジア太平洋地域でのプレゼンスを高めよう、強めようとしているのは、潜在的な強大な華人経済圏の存在を無視できないからではなかろうかとも想像する。様々なシンクタンクが、G2といわれるアメリカと中国の国力について予想を立てている。小生の知る限り、シンクタンクの平均的な予想ではGDPは中国がアメリカを追い抜くというものである。2050年時点での平均値でみると、中国:米国:日本+ASEAN=40:35:18という具合である。日本+ASEANの18の中身に占める華人の力は相当なものである。商業の民ともいわれる華人であるが、日本が誠実な行動を選択すれば、祖国に対する郷愁よりも日本との交誼を重んじてくれるものだろうか。