6月2013

東南アジア投資呼び込みと韓国の投資呼び込み

生活

 1997年のアジア通貨危機以降、各国はそれぞれに困難な状況と向き合い

克服してきた。それぞれに経済成長を遂げてはきたが、そのプロセスの違いから体質の違いも出てきている。何が違うのかについて考えてみたい。

先に東南アジア華人経済の大きさや強さについてふれた。

この地域は、世界の華人のうち80%程度が本拠地にしている。

華人経済力は、すさまじく彼らの保有資産は域内の80%とも言われている。

そして、地域内の億万長者の数は、全体の80%台後半と言われている。

経済的にも圧倒的な力をもっているのだが、歴史的にも古くからこの地域に

根ざす彼らの投資姿勢は、いかがなものだったであろうか。

もともとタイのバーツをはじめ各国通貨は、1997年当時、対米ドルに

ペッグ(固定)制をとっていたが、いきすぎた割高とみなしたヘッジファンドは、一気の売り浴びせを行った。その時、東南アジア経済と金融を支配していた華人系資本は、迷わず一斉に資本逃避を行った。このことが、決定的な通貨危機の引き金だったともいえよう。華人資本は、域内経済を支えなかったといえるし、他方、経済や金融に関して見極める力があったともいえる。

 

さて、現在は外国為替を変動性に移行させ、通貨を柔軟に変動させる仕組みが機能している。このことにより、ヘッジファンドなどが通貨の投機売買に介入しづらくなった。また、チェンマイ・イ二アティブによりASEAN諸国は、緊急時に通貨の相互融通を強調して行える仕組みを作り上げている。このため、

1997年時点で経験した「対円割高(当時は3割方高かったとみなされていた)」の状況が起きても、売り浴びせを仕掛ける投機筋に対抗できる防御策が

出来上がっている。加えて、チャイナプラスワン志向により、投資に積極的な日本から直接投資を呼び込むことに力を入れており成果が上がっている。

この点、比較して韓国には大きな不安がある。端的にいって、国内金融が自前とはいえず(大手銀行の多くは米国資本)、極端な例では100%外国資本の銀行が存在している。非正規雇用者の比率が、現在も40%以上に上り高いのだが、外資金融機関に支配されている金融システム下では当然といえるかもしれない。大手財閥は、概ね外資に支配されている。象徴的な例では、韓国を代表するサムスンとLGが売り上げを伸ばすと、米国企業のクラムコムが一番収益をあげるという。収益があがっても、果実の大方は海外に流れる。優れた部品製造は、国内でできずに輸入で支える。資本の論理が徹底しており、製造拠点は海外に伸びてゆくが、自国民の雇用や税収には繋がらない。必要な資金は、短期の外資からの借入でまかなっている。世界に冠たるGDP総額と外貨準備高であるが、ウォン安が暴落に繋がったり、通貨危機の発生の可能性も高い。