6月2013

中国のバブル崩壊のきっかけは何か

生活

 中国の実体経済は、明らかに一時期の勢いは無い。かなり、後退しているのは確かだ。また、李総理が経済観察の指標とした電力消費、鉄道輸送実績、貸付金融機関残高を見る限りは、中国政府の統計発表するGDPの7%の数字は信じ難い。いずれにしても、経済成長に関しては困難に直面していると思われる。

さて、世界の歴史を見る限り、一時的に経済で覇を唱えた国もやがてその座を譲ってきている。また、バブル経済崩壊にしても、穿った見方をすれば、いきすぎた投機などによって膨張した経済を調整するために起こる。

中国では、近年、あらゆる分野の過剰生産や過剰在庫の問題が指摘されてきた。特に目立つのは、鉄鋼、家電、自動車といった産業のコメといわれる業界や雇用の面でも裾野が広く、あらゆる意味で影響力の大きい業界である。

PM2.5のような大気汚染を招く物質を副産物として排出し、かなりの環境負荷をかけての過剰在庫や過剰在庫では、あまりにも支払う犠牲が大き過ぎるように思える。



ところで、中国の人件費高騰は、すさまじいばかりである。コスト負担に耐えられず、中国国内から東南アジアに移転、進出する工場もある。また、米国系の工場では、シェールガス革命によりエネルギーコストが大幅に削減できることも明らかになり、中国国内から米国内に製造拠点を戻すところも出てきている。日本においても、円安の進行により、高付加価値製品については、対中国輸出競争力を大幅に取り戻すことになる。それによって、直接的な投資は今後かなり減る可能性がある。

 

中国国内におけるバブル経済は、サブプライムローン禍やリーマンショック禍によって、世界中の巨大な投機筋が避難場所を求めて殺到したようなもので、

真に未だ信用を得られているものとは思えない。つまり、アジア通貨危機の時のように、流入している巨額の投機マネーが、一気に流出する可能性を排除できないだろう。アジア通貨危機の時、米ドルとの為替固定制度を各国が採用していたため、ドル高基調によって、市場の見方と乖離した取引が続き、投機筋から売り浴びせられ、防戦一方で外貨準備高を吐き出し、満身創痍になったところで、さらに株式や債券なども一斉に売り浴びせられて、通貨が暴落し事が極まった。このことに学ぶならば、市場の考える適正な為替相場を維持しなければならない。対米ドルへの高値基調もきびしいだろうが、反対に安値に為替を誘導すれば、アジア通貨危機のような売り浴びせを受けるかもしれない。中国国内には、香港経由で流れてきた台湾、シンガポール、米国、日本発の巨額の資金が流入している。中国の都合の良いようには動いてくれないだろう。