6月2013

日・米・欧(EU)は、いかに国際金融トリレンマと向かい合うのか

生活

 先に、中国国際金融のトリレンマへの取り組み、特に資本の兌換自由化(流入流出)への取り組みと達成への困難をについてふれた。

為替フロート制により、長期的に安定上昇傾向を維持しているが、上昇角度が小さく変動幅も限られた範囲で行われるオペレーションであるにも限らず、世界的な経済情勢に影響を受けることもあり、困難な局面に当局が立たされることは多い。

さて、日米はどうか。

両国金融当局は、ともに「自由な資本移動」と「中央銀行による独立した金融政策」を執っている。そのため、「為替の安定を放棄(変動為替相場制)」している。

他方、EUはどうか。

EUでは、ユーロ導入国と独自通貨制度を保つ国とがある。ユーロ圏においては、

「単一通貨ユーロ(複数国で固定為替相場制)の流通」と「資本移動の自由化(経済的な障壁をなくし経済的には一体化)」を執っているが、金融政策については欧州中央銀行がタクトを執っており、加盟各国が独自の政策を導入することを排除している。



欧州通貨危機が表面化した2012年当時から、景気が落ち込んだ国々の政権は、景気対策として金融政策を放棄せざるを得ない状況は、想像を超えた厳しさがあるようだ。経済統合を目的としているのだから、資本移動の自由は制限するべきではない。そうなると、日米同様に「為替の安定を放棄」せざるを得ないという流れができてしまう。

EUは、金融政策を欧州中央銀行にゆだねているため、景気対策では財政出動に頼らざるを得ない。そうなると、当事者国だけでなくEU自体の信任を低下させるという悪循環に陥る。ギリシャ危機や南欧危機が続くが、欧州中央銀行の金融政策以外に、各国独自の経済政策があり、経済的な体力ののある国とない国との政策協調をいかに図って危機を回避するかについては、意見の集約にさえ時間を要する。簡単には行かない。

さて、「資本移動の自由化」に向けて歩むことを宣言した中国であるが、2007年から前日比0.5%以内という制限は設けつつも、変動相場への展望を見せている。問題は、急激な人民元の高騰を避けるあまりに、対ドル相場を予定の範囲に保つために、為替介入をし続けている。すでに、外貨準備高世界一になって5年になるが、米国債などを買い入れ続け、為替の安定を図ること自体が

困難な状況になってきている。はたして、中国独自の金融政策とグローバル化に則った資本自由移動を執って、為替の安定を放棄するのだろうか。