6月2013

中国の兌換自由化実現と国際政治のトリレンマ

生活

 中国の資本項目の兌換自由化は、長期的に取り組めば実現できる目標だろう。

中国は、中央政府による独自の金融政策に力を注ぐために、国際金融においては、前出2つの目標を達成するために、いずれにせよ外国為替の管理強化をあきらめるか、徐々に市場にゆだねるしか選択支が無くなるだろう。

 

結局、この先、人民元為替レートが市場の信任を得て、為替レート決定の仕組みが合理的で、均衡の取れた安定性のある取引ができるように保証しなければならない。

現在のような管理フロート制から、国際市場に適応させてゆくには課題も残る。人民元建て資本項目の兌換自由化は、やはり容易いことではない。

人民元は、時間をかけては来ているが、対米ドルに長期的に高値取引傾向に

誘導されている。過去、5年、10年の対米ドル為替レートを比較すると、中国の国力の向上の度合いも見えてくる。だが、米国としては長期国債を大量に買い込んでくれるお得意様であっても、為替取引の現実的な適正レートから、

大きくずれているというアンフェアを主張する議会の声が大きいため、今後も批判にさらされることだろう。

中国は、資本市場開放を徐々に進めるとしているが、適格海外投資家と人民元適格投資家の後押しを得て、資本市場の制度改革を進める必要がある。

中国の内陸西部地域へのインフラ投資ひとつをとっても、健全な資本流入が淀みなくなされる必要がある。他方、急激な政治経済の変化によって、巨額の

クロスボーダー流動を防ぐことが重要だろう。直接投資が増やされることで経済は大きく前進するが、外国為替取引の管理の改革スピードをあげる圧力もかかる。対外債権債務の管理とともに、市場の監視をいかに行うかも大きな負担だ。



さて、国際金融のトリレンマに正面から向き合い国内改革を実現達成する中国には、さらにグローバル経済の一翼を担うが上の政治的なトリレンマが壁と

なって聳える。

即ち、グローバル化(国際経済統合)と国家主権(強固な国家の自立)と

と民主主義(個人の自由)の3つは同時に達成できないというものである。

中国は、明らかにグローバル化に早い段階から対応している。そして、国家主権を推し進めている。グローバル化に伴い、中国国民の対外活動の機会も範囲も増える。先進国や新興国との経済や文化交流が増えれば、民主化(個人の活動の自由の保証を求める)を求める国民の声は高まるのは必然であろう。この先、中国は経済発展とともに、政治的なトリレンマに苦しむことになる。