6月2013

中国のTPP関心表明

生活

 先ごろ中国政府は、TPPへの関心表明を行った。

中国が、TPPに現実に参加するのか、またはできるのかは別にして、関心表明

を行うことは予想できたことである。さらに中国の環太平洋戦略上、無視できない存在にTPPがなりつつあるのは事実である。

 

米国は、近年アジア重視の戦略を見せており、軍事的なプレゼンスの強化にも力を入れてきているが、経済面での環太平洋戦略においてTPPは、最たる例である。

ここにきて、参加が出遅れていた日本が各三カ国より承認を得て、7月より

正式に交渉に参加することとなった。TPP参加国に日本が加わることで、米国の主導するアジア太平洋地域での経済貿易協定がいよいよ大きくなったことが明らかである。

 

中国は、日中韓FTA締結と東南アジアを取り込むRCEP締結において盟主に

ならんとしている。日中韓FTA締結については、3カ国それぞれに事の成否の重要性について認識しているが、一筋縄ではゆかないことは明らかである。

また、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)については、TPPの進捗や方向性について、影響を受けることは明らかである。

さらに、日中韓において領土問題に対する主張の応酬が激化したり、南沙諸島問題等で南シナ海のおける領海をめぐる主張が当事者国間で先鋭化すれば、中国の思い描く影響力の行使は難しくなることだろう。

本来、これらの交渉は、アジア太平洋地域の自由貿易圏(FTAAP)構築のための主導権争いが前提である。米国にしても、中国にしても世界第3位の経済国

日本抜きの経済連携では影響力から見るとFTAAPを前提とする交渉は意味が薄い。

 

ところで日本は、アジア太平洋地域だけでなく、EUとの経済連携協定交渉に本年4月より入っており、加えて中国が先駆けて進出しているアフリカとの関係強化をTICAD(アフリカ開発会議)横浜開催を契機にODA(政府開発支援)供与の表明などを本年5月に積極的に行っている。

中国も李総理がスイスとのFTA交渉締結や訪問先での記者会見の機会に、尖閣諸島問題に関する日本への批判を強めている。単なる牽制のつもりなのか、経済連携や自由貿易交渉を見越しての深慮、戦略があってのことなのか不明であるが、TPP締結が本格的に見込まれる本年10月以降にならなければ、明らかになりそうにない。しばらくは、落ち着かない交渉や駆け引きとなりそうだ。