6月2013

重慶で行われていること。起きていること。

生活

 中国直轄都市の中で、存在感のある異彩を放つ重慶があらためて注目されている。北京、天津、上海、重慶のうち内陸大都市は、重慶だけである。谷底に

拡がるような大都市は、およそ3千2百万人の人口を呑み込んでいる。そのうち、1千200万人が都市部の人口で、2千万人が農民部人口であり、農民工として出稼ぎにもゆく人々である。

 

ほかの大都市圏同様に重慶は、都市部住民と農民部住民の経済格差が広がり、社会不安の大きな要素となっている。行政としても、格差是正策を打ち出し、成果を挙げようと必死のようだ。

重慶は、「西の上海」といわれている。人口も大きいが、潜在的な工業生産額など各種生産指数も大きく、中国全土からの注目度も当然高い。

 

重慶市は2008年12月より、「重慶農村土地取引所」が創設された。

このことにより、「地票」と呼ばれる農村における不動産証券が売買可能となった。これは農村部の住民が、売買を経て都市部に住居を求めて移り住むことさえ可能となったことを意味している。取引所創設以来、売買代金は、日本円換算にして1000億円を悠に超える金額と見なされている。この金額を得て、実に200万人の農民が都市部に移り住んだという。

 

この先の予想であるが、制度満5年を迎える2013年末までに、さらに

100万人。そして、このペースを保てば、2020年までに移住農民の総合

計数は、700万人に達すると見られている。このことにより、冒頭の段落で示した「都市部人口1千2百万人、農村部人口2千万人」としていたものが逆転し、「都市部住民1千9百万人、農村部人口1千3百万人」という逆転するとみなされている。このとき都市化が、人口比60%達成となる。

人口比の変化にともない、産業経済の様相も変化が生まれてくる。

重慶もほかの大都市同様に、人民政府および国有企業の財産が2007年当時、市全体の75%程度であった。現在では、民間セクターの比率が60%にまで

達しているという。



ところで、旺盛な民間資金需要に応えているのは、国有金融機関ではない。

中国では、国有金融機関は国有企業を相手にしか、融資に応じていないのが実情である。有利な融資条件は確保できないだろうが、沿海部のローエンド、ノックダウン、アッセンブリーに対して、高付加価値工業製品生産の一大拠点化を目指している。「都市化」を掲げる中国のモデルになりそうである。