6月2013

中国にとって、TPP参加は困難

生活

 先ごろ中国は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に対して、参加を検討するという関心表明を行った。中国にとって、アジア太平洋地域における一定のプレゼンスを確保したいということもあり、関心を示すというより無視が出来ないということが実情に近いと思われる。



TPPの参加希望国12カ国のGDP総額の世界全体比は、およそ4割、貿易輸出入金額は3割とみなされている。参加希望国にすれば、中国という経済大国に参加してもらえれば、さらに地域経済連携の価値が高まると考える立場にあるように思えそうだが、ことは単純な理解では上手く行かないようだ。

 

まず、自由貿易や資本の自由移動に対する価値感を共通に認識しているか?という問いに対して、中国がかたくなに自国通貨の管理フロート制度で、外替相場を一定に範囲でオペレーションしている以上、国際金融のトリレンマである「為替相場の自由」「独立した金融政策」「自由な資本移動」のうち、どうしても「自由な資本移動」の選択はしにくいところである。

もちろん、長期的には自由な資本移動を保証する方向に政策を向かわせると国務院は公式に発表してはいるが。短中期で達成できそうなことではない。

 

中国は、OECD(経済開発協力機構)に加盟できていない。正式には、審査

前の段階と考えて良いだろう。BRICSでは、ロシアが2007年に加盟審査申請を行っているが、未来のパートナー扱いである。BRICSのほかの国々、インド、インドネシア、南アフリカ、ブラジルは中国と同じで本格審査以前である。

中国は経済の規模において魅力のある市場であり貿易立国であるが、世界的なルールを遂行する力としては、現況では期待されているとはいい難い。

 

小職は、中国がWTO(世界貿易機構)加盟と国際会計基準の導入を行うという時期に、国際協力としてその研修の実施のため、長く派遣されていたことがある。その時期に、大変苦労したことがあった。例えば、国際的規約や約束事

の遵守意識が希薄であることである。「批准はしたが、遵守するかどうかは決めてない」という発言が公式の場でも平気で行われていたのである。

WTO加盟時に果たしておくべき約束事が曖昧にされ、加盟後、全体の利益のために行動するという意識も低いと現在でもみなされているようだ。

TPP加盟を表明すれば、米国を初めとする参加予定国は、WTO加盟の時のような中国の態度を許さないことだろう。また、中国にしても本音でいえば、自国の主張が思いのままにならないような経済連携は魅力がないことだろう。