6月2013

FTA大国韓国とTPP

生活

 FTA(自由貿易協定)大国の韓国は、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)

に熱心に取り組むのではないかと考える方も多いと思われるが、日本をはる

かに凌ぐ数の国々と既にFTAを発効または締結しており、意外と韓国にとっ

てはメリットが小さいと考えられるのではなかろうか。

 

FTAは、物品の関税及びその他の制限的通商規則やサービス貿易の障壁等

の撤廃を内容とするGATT(関税及び貿易に関する一般協定24条および5

条)にて定義される協定である。

韓国は、GDP比100%以上を輸出貿易に依存しており、FTA締結は基本

的に輸出競争力を高める効果がある。農業分野では、食糧安全保障の視点か

ら問題もあるが、とにかく大統領のリーダーシップで締結を様々な国と行っ

ている。それらの国や地域は、チリ、シンガポール、ASEAN、EFTA(欧州

自由貿易連合、EU、ペルーが発効済みで、米国が締結済みである。

韓国は、引き続きアジア太平洋地域の国や地域とのFTA締結を志向してお

り、その意味ではTPP参加は利益恩恵はさほどないかもしれない。

 

また、うがった言い方をすれば、TPPは米国がアジア太平洋の国や地域に

市場開放を迫る踏み絵のようなものに感じられる。

韓国は、ある意味1997年の通貨危機後、IMF(国際通貨基金)と世界

銀行主導により、救済を受ける代わりに徹底的に市場を開放せざるを得なか

った。そのため大手金融機関が実質外資(米国)に支配され、大手財閥企業

も支配されている(サムスンは、発効済み株式総数の56%程度、優先株の

80%を外資に支配されているとされる)。GDPが、およそ1兆3千億ドル

程度とみなされるが、そのうち50%以上をサムスンとLGが稼いでいる。

配当は、米国の投資家を潤すが高い部品や工作機械は日本から輸入し、工

場はグローバル化し、納税や雇用には経済的な規模に似合う貢献をしていな

い。韓国発祥の多くの財閥は、韓国より外資に貢献している。

韓国の保有する資産は、すでに国よりも民間所有が多いが、外資金融機関

からの借り入れが多くほとんどが短期債務である。

外貨準備高3千数百億ドルのうち、長期の外国債運用と長期投資があわせ

て全体の96%程度で即換金できるものは僅か4%程度である(日本は9

4%が即換金可能)。ことさら、くどいように書いてしまったが、米国が考

える理想的な市場開放策を志向するならば、もっとも米国の望むように開放

されているのが韓国であるといえるのではなかろうか?。したがってさほど、

韓国のTPPについての関心や話題は上ることがないと思われる。