7月2013

やりきれない思い。生活保護手当て削減先行を受けて

生活

 このたびの国会閉会により、実質、参議院選突入となった。参議院の閉会

間際に、重要法案可決や首相問責決議が与野党の駆け引きに使われ、生活保護

関係では、手当て支給の縮小が先行するという事態に陥った。いったい、今の

国会議員には真の意味での弱者の味方がいるのだろうか。良識の府などという

言い方は金輪際してもらいたくないものである。

 

さて、格差社会になりつつあるといわれる日本で、保護者の経済状態によって、治療を受けられない子どもたちが増えているという「健康格差」の話であった。東京大学に通う学生の保護者の平均年収が、非常に高いという話が広く認知されてだいぶたつと思う。よりよい教育のために、教育資金がかかるというのは理解できる。難関大学に合格実績の高い私立高校の授業料が、際立って高いとしても多くの人は納得するだろう。

有名私立中学高校や難関大学を卒業できなくても、自分の特性を生かして社会で活躍できる道はいくらでもある。事実、国家公務員上級試験や司法・公認会計士・医師試験など特別な技能技術・知識を身につけなければならない職業を別にすれば、新しい職業ジャンルを切り開き、職能を開発する方法は無限にある。それゆえに経済格差が学力格差や学歴格差云々と耳にしてもなんとも思わなかった。

 

しかし、保護者の経済状況の悪化から、治療費がなくて学校の保健室で治そうとする児童、健康診断で異常が見つかっても再検査を受けない児童らが、全国規模で増えているということを知り寒気が走った。記事にあった事例を挙げると体育の授業で怪我をして、靭帯が切れている可能性があっても、毎日保健室に通って湿布を貼り、病院に行こうとしない生徒。彼は母子家庭であった。

ほかにも、頭痛で苦しむ生徒が、1年の長期にわたって頭痛薬を保健室にもらいにきていた。保護者を説得し、病院で検査を受けさせたら脳梗塞を起こす可能性がある状態だった。大事に至らなかったのは幸運としか言いようがない。

ある学校では、全体の4割が生活保護を受けていて、歯科検診を受けさせると虫歯8本以上の生徒が1割以上、中には20本以上の生徒も見受けられるという。子どもの歯科衛生に思いがゆく余裕がないということである。集団検診と違い再検査となると自己負担となって家計を圧迫する。具合が悪くても、我慢している子どもたちがいるかとおもうと切なくなってくる。首都圏でも生活保護世帯や母子家庭も多く、自分の生活費をアルバイトで稼ぐ生徒らは公立高校でも見受けられ、学用品や修学旅行費用の公的な就学援助の対象者は、10年間で約80万人から150万人規模に増え、授業料の減免対象の生徒も11万人から22万人超に増えているという。確かに、授業料の公的負担や子ども手当てを支給することで、大いに援けることのできる家庭も増えることも事実だろう。しかし、それ以前に保育所の大幅設置によって働く女性を支援、また18歳未満の未就業者の医療費の公的な負担を大幅に増やすなど、子どもは社会全体で育てる仕組みは作れないものだろうか。せめて欧米並みに。