7月2013

日中韓FTA交渉の行方

生活



先に韓国朴大統領訪中により、東北アジアにおける政治経済交渉からの日本はずし云々が盛んに中韓両国報道筋から伝えられている。

しかし、伝えられている内容を鵜呑みに出来辛い違和感を感じずにはいられない。仮に、中韓が日本に先んじてFTAを締結し、三カ国交渉の主導を握ろうとするのであれば、交渉の席にもたどり着けていない日本の出遅れ感は否めない。だが、東北アジアにしても東アジアにしても、地域経済連携、自由貿易交渉に世界第3位の経済国日本を交えず、どれほど高い価値を認められるというのだろうか。

 

さて李克強総理は、尖閣問題の譲歩を条件に首脳会談を提案したが、参議院選挙前で、むしろ政治的なメッセージに応じられることの少ないことを計算して安部総理に提案したのであろうか。

早くても参議院選挙を終えなければ、何もはじめられないだろう。

FTAだけでなく、国際的な交渉ごと自体が出来辛い時期にあり、むしろこの時期は日本が動けず、それを見越して中韓が積極的に動いていると見るのは、気の回しすぎだろうか。いずれにしても日本は静観するしかないだろう。

 

韓国の場合、中国への輸出依存が全対比で25%程度であるので、中国への依存を高めることは理解できるが、中国から輸入できない日本から調達する製造工作機械やIT機器の重要部品こそ、積極的にFTAの対象にして世界戦略に備えるべきではなかろうか。

韓国は、大手財閥企業や大手金融機関の大多数を外資、はっきりいえば米国系投資機関に抑えられている。資本的には米国に抑えられ、お得意様の中国には一層の気遣いをするのも楽ではないはずだ。

日本とのスワップ協定の更新については、要請もなく更新が見送られたが、

このたびの訪中で大統領は、中国とのスワップ協定更新を蜜月関係の証のように表明していた。韓国の税収不足が108億ドル程度に上り、本年度下期の予算執行に懸念があり「韓国版財政の壁問題」が顕在化しつつある。中国人民元のスワップ協定も結構だが、米国ドルとのスワップ協定を急ぐべきではなかろうか。

安全保障面でも韓国は中国との強化が伝えられているが、危機管理上、もっとも頼るべき相手は、安全保障面だけでなく米国という印象を小職は持つのだが、朴大統領のアメリカ訪問と比べると気の使いようが数段上のように思えたのは気のせいだろうか。いずれにしても日中韓のFTA交渉締結は、中韓先行で進みざるを得ないことを看過せざるを得ないだろう。