7月2013

中国人の過度な不動産投資信仰

生活

 ここのところ、中国のシャドーバンキング(影の銀行)問題と上海株式指数の落ち込みに対する報道が騒がしかった。しかし、問題の本質的部分に迫るような声は届いてはきていない。



中国では、大手銀行による正規融資は、国有企業向けの政策融資のことを意味しており、近年は定期預金が年利3%、貸出金利が年利6%である。

シャドーバンキング(影の銀行)は、前出の大手銀行ではない信託会社などが、高利回りや有利な担保保証などを示して富裕層から募った原資を元に、地方政府や第3セクター事業方式等で行われる不動産開発融資や実需からではなく、投資目的の不動産購入者向け融資を盛んに行っていたことは明らかである。

信託会社は、年利13%程度の「理財商品」を企画し、手数料を差し引き年利10%程度の金融商品として、さかんに転売していたようだ。それらが廻り廻って集中償還が2013年6月期に訪れ、銀行間貸出金利の高騰や資金不足から、金融機関の預金引出機がことごとく調整中と表示され、一部で社会不安となった。行過ぎたシャドーバンキングに遅まきながら、中国首脳も重い腰を上げたが、事態収拾は簡単にはゆかず、時間を必要としそうである。

時間がかかりそうな理由は、不動産投資に向けられたシャドーバンキングの規模があまりにも大きいことがある。実態は、中国国務院も把握していないようだが、ここにこて明らかになりつつあることがいくつかある。

まず、2008年のリーマンショック以降、中国で実施された多くの融資が、実態経済に結びつくような生産財などに向かわず、また製造業種への融資が目的外の不動産投資に向かい、さらにはキャピタル・ゲイン目的の富裕層の不動産投資に向けられていたということである。これらのことにより、加熱した不動産市場の北京や上海などの大都市圏では、昨年60%以上も上昇しているという。それ以外の都市でも昨年は、毎月前月比10%以上も上昇していたという報告もある。もはや行過ぎた不動産バブル市場であることに疑いはないが、理財商品の最盛期には8兆2千億人民元規模まで達していたとする報告もあり、2013年3月期の残高について銀行業監査管理委員会は、日本円にして130兆円規模と発表している。バブル退治も容易なことではない。

 

中国人の「金(GOLD)」信奉は広く知られているが、危機管理上有用であっても、不動産のように価値が高騰はしなかった。もともと投資に硬い中国人が、理財商品に煽られ、そして富を失ってしまうのだろうか。

中国首脳も信用収縮を政策的に徹底して行う必要があるが、荒治療法も必要になることだろう。社会不安が大きさが、体制への批判にもなって還ってくる。