7月2013

1929年の世界大恐慌をふりかえる1.

生活

 先ごろ、中国の第2四半期のGDP成長率の発表があった。

それによると対前年比7.5%ということである。「保八(対前年比8%の成長を

死守する)」スローガンで只管走ってきた中国にとって、下方修正は大変に勇気がいることであり、現実的に成長の大きさより成長の質への転換を前面に出して、今後、指導部が大きく動き始める兆しかも知れない。

さて、最近はとみに中国の経済指標が信頼をなくしてきている。

シャドーバンキング(影の銀行)が、世界中を不安にさせているが、不安の

大きな理由が、第一に中国首脳はシャドーバンキングによる融資総金額やそれによって生じた不良債権総額の実態をつかめていないはずだということであり、第二にそのために適切な政策を打ち出せないなずだということである。

さまざまに不安視される中国であるが、バブル経済崩壊が少なかくとも影響を世界経済に与えることは確かであろう。

ところで、1929年の世界恐慌以後も基本的な会計制度や株式の評価方法も変わっていないので、何が起きたのかについては十分に認識しておくべきだろう。

1929年のブラック・マンデーの直接的な原因は何かといえば、「過剰な固定資産への投資」と「信用経済の過度な膨張」だったは、経済史の専門書には

明確に記述があることだろう。7月中旬に差し掛かり、上海株式指標が高騰した。だが、安心はできない。株式暴落や通貨暴落直前に相場が高騰するのは、歴史的にもよくあることと証明されている。

 

中国の「鉄」生産を手がける大手を含む製鉄所は、前年には過剰生産による在庫によって市況が冷え込み、価格が大幅に落ち込んでいるにも限らず、生産量を減らさず、さらに生産体制を強化しようとしていた。セメント生産工場にしても同様である。在庫が過剰であるにもかかわらず、さらに設備投資に動いている。中央政府が懸念していても、地方政府や第三セクター事業による投資をさらに増やそうという動きは、なかなか止まりそうにない。

「固定資産への過剰な投資」は、川をせき止めダムにつくり、水を貯め下流への水流を大きく制限することに等しい。仮に資産を固定化しなけれれば、必要に応じて流動化し、言い方を変えると換金化し、水が必要なところにいつでも供給できる。下流で水が必要なところに水が行きわたらなければ枯れてしまうだろうし、枯れてしまえば再生できないことになりかねない。人間の体で言えば、心臓の大きさが変わらないのに、体だけが大きくなり心筋梗塞を起こして急死したり、脳溢血を起こして半身不随になるようなものである。

過剰な設備投資は、回収を困難にさせ、健全な経済活動を妨げるのである。