7月2013

1929年世界大恐慌をふりかえる2.

生活

 1929年の世界恐慌が起きた理由のひとつめは、「過剰な設備投資」であった。回収の見込みのない設備や施設や建物などへの大きな固定資産投資である。

キャピタル・ゲイン(資本的な利益)~評価益に期待して、資産の回転によってもたらされる実現収益に真摯に取り組まないような姿勢では、すぐに黒字倒産化しかねない。経営者であれば、不採算による撤退よりも黒字倒産による

倒産のほうが被害も大きいことを認識しているはずである。

ふたつめの理由は、「過度に強大化した信用経済」である。

1929年当時のアメリカの例でいえば、大陸横断鉄道の開通によって、アメリカ全土の物流が劇的に変わってしまった。生産された製品や商品は、より遠くの市場に届けられるようになった。鉄道の開通と同じように、鉄道にそって電信設備が拡大してゆき、こちらも通信手段が劇的に変わってしまった。

大陸横断鉄道と通信手段の発展によって、経済活動を支える「信用の創造」が大きく変わってしまった。鉄道ばかりでなく、周辺にも巨額の投資は行われていたに違いない。そして、市場の拡大にともない「与信」供与も現実よりも大きくなっていったことは想像できる。

そして、あるとき過剰で巨額の固定資産と投資によって築かれたダムが決壊した。さらに全米的に信用のネットワークが磐石だと思われていたにもかかわらず、消え去ってしまった。

 

ところで、採算がとれないのに新幹線網を築き、コンクリートと鉄骨で中国大陸に流動化しにくい資金のダムを築く。そして、市況をみれば供給過剰で十分な利益が出ないことがわかっているの生産設備投資を行い、さらに資金を固定化し堰き止める。形は違えども、1929年のアメリカにおける過剰な設備投資の状況とも似ているように思える。

当時のアメリカは、自動車産業や重工業が経済を牽引しており、必要な資金は株式市場や金融機関から湯水のごとくに供給されていたのである。ブラック・

マンデー以前は、株式市場も活況であった。

1929年当時のアメリカにおける通信手段の発展は、電話や電信によるものであったが、現在のインターネットのようなものであり、電信による経済活動をインターネットによるマーケテイングに置き換えてみればわかり良い。

当時と違いクレジットカード会社などがあり、保証制度の充実が段違いに異なるという点は、現在のシステムの優勢は明らかである。

ただし金融サービス会社は、世界規模で取引されている金融派生商品に取り込まれており、いつ何時に予想をはるかに超える損失に見舞われる可能性もある。中国に限らず、実は本質的な部分で、世界は危ういものを抱えている。