7月2013

中国の産業就労構造転換に期待

生活

7月19日中国政府発表の貸し出し金利の下限撤廃の政策発表の効果については、劇的には成果を期待できないという見方が大方である。しかしながら、シャドーバンキング(影の銀行)問題でも指摘を受けている民間金融機関や

ノンバンクなどの金融サービス業の育成の契機になることに期待したい。



さて、中国の産業就労構造に眼を転じたい。

中国の経済躍進が始まった1980年代の産業就労構造について、過去の統計を見ると、凡そ第1次産業の就労が、全体の30%程度。さらに第2次産業就労が同40%半ば、第3次産業就労が20%半ば程度であった。

2010年時点の統計によると、第1次産業の就労は、全体比で10%台、

第2次産業の同比で30%台前半、第3次産業同比が40%台半ばとされている。地道に産業構造の変革が遂げられ、就労人口構成も変化を遂げているのは確かである。

ところで、不動産開発投資や公共投資をエンジンにして驀進してきた中国は、

前出投資と同様、過剰投資、過剰生産、過剰在庫が指摘されている長大重厚産業への投資などから大きく転換すべき時期に差しかかっている。

シャドーバンキング問題が、世界的に不安をかき立てているさなか、中国当局者は雇用ベースで計算すると世界で1400万人の雇用を新たに生み出し、対世界経済で20%の貢献をしていると誇った。

問題は、中国の付加価値生産の低さである。不動産開発投資などには積極的な中国ではあるが、研究開発投資は対GDP比が低すぎて話題にされず、中国に進出する外資企業に頼ったままである。GDPの計算方法が付加価値生産方式にあらためられることになったが、今後正確な算出と報告がなされたら、中国人民の失望をかうばかりだろう。ここのところ、労務費は急騰してきているが、

付加価値生産から見るといびつな高騰である。今後、日系進出企業等が内陸への転出を図りながら、産業ロボットによる工場操業を本格化させると雇用能力のある企業からも多くの失業者が生まれるや知れない。

 

中国は、1997年のアジア金融危機や2008年リーマンショック後も財政出動で危機を乗り切った。それによって、いち早く経済をV字回復させ、世界に大きく貢献したことは明らかである。今後は、生産年齢人口が急激に減少することもあり、不効率な産業就労の転換を図り、第3次産業を新たなフロンテイアとして水平を拓くべきである。米国はGDP比で第3次産業の付加価値生産が70%相当、日本の同比は60%程度である。中国は、多く見積っても30%には届かないようだ。内需創造や就労機会創出からも注目すべきである。