7月2013

中国の金融サービス業発展の可能性

生活

 中国のシャドーバンキング(影の銀行)の存在は、いまや世界の関心事で

あり、先のG20でも注目を浴びていたこともあり、中国の貸し出し金利の下限撤廃発表が金融自由化への加速度的変化をもたらすのではという希望的な観測にもつながった。



シャドーバンキングのうち、回収不能に陥りそうな、あるいは不良債権化

している不動産開発投資や地方政府の公共投資は論外であるが、中国政府系の

大銀行は国有企業向けにしか実質融資をしないため、中小の金融機関が零細企業や個人事業主に融資するものもシャドーバンキングに類することになる。

そういう観点から推計すると中国の金融の60%以上がシャドーバンキングによって支えられているということになるという。



この60%は地下経済そのものとも地下金融とも言い換えられるが、ようするに日本でいえば公庫が担ってきた金融サービスや信用組合、信用金庫、地方

銀行、ノンバンク、古くは無尽講、頼母子講のような機能をもっている。

大規模な景気後退が起きても、また新しい産業の芽が生まれてきても金融

のニーズが小さくなることはありえない。

シャドーバンキング問題が大きく取り上げられて以降、中国で日本韓国の消費者金融の専門家を招いて研究会がおこなわれていたが、中国当局者も金融の

自由化に向けては、消費者金融も含めた金融サービス業の育成に取り組むべき

よい時宜ではなかろうか。



米国の出口戦略については、金融緩和縮小の時期、ドル資金の米国本土回帰の時期について盛んに新興国が気をもんでいる。新興国は、とくにアジア通貨危機を乗り切ってきたといえども、必要資金の多くを短期借入でで外国資本から調達するという体質から脱しきれていない。

同様に中国も貿易で米ドルを稼ぎ、それで米国債を買い入れ、さらに似合い

の国債を発行、大手金融機関に買い取らせてきた。ある意味中国は、米ドル本位制である。中国にとっても資金の枯渇につながりかねない深刻な問題である。

金融緩和の縮小に米国が動けば、資金不足からくる悪影響は、中国の民間企業、特に中小零細企業や個人事業主に資金調達の困難という形での重石がのしかかってくることだろう。

内需拡大という課題のためにも、中産階級の3億人ともいわれる人々の消費拡大も視野に入れて、金融サービス業の育成に乗り出してみても良いのではと考えるのだが、いかがなものだろうか。